ネガティブな感情に居場所を与えよう。彼らは居心地が悪くなり逃げていく

投稿日: 2015年09月01日 17:00 JST

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今年の日本の夏は暑いですね。食欲不振や不眠で苦労されている読者の方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。実は「猛暑日と犯罪率は比例関係にある」というアメリカの調査結果もあるくらい、猛暑が続くと人間はやる気を失うそうです。暑さから逃げたい気持ちから冷静な判断力が減退し、短絡的で衝動的な犯行が増えるのです。このように季節が人間の感情に与える影響は誰もがなんとなく実感していると思います。そこで今回のコラムは、こうした「ネガティブな感情への対処法」について考えたいと思います。

 

自分を苦しめるものに、ネガティブな感情があります。ネガティブな感情は不安を呼び起こし自分を苦しめる。私自身もそうでした。しかしあるときから、ネガティブな感情の対処法に気がつくことになりました。ネガティブな感情の特徴は「それを認識し、除去しようとしたり見て見ぬふりをしようとしたりするときにこそ、強い力を発揮する」ということ。そういう態度で接すると、ネガティブな感情は潜在意識に潜り込んでいきます。そして、いつまでもじわじわと自分を苦しめていくことになる。長ければ10年、20年と潜在意識の中に居座り続けることになります。

 

ではどうして潜在意識に潜り込んでしまったのかというと、「それをないものにしよう、見たくないものだ」と自分で思ったからです。ネガティブな感情と向き合わず、そこから逃げようとしてしまったがために、潜在意識へと逃げ込んだのです。だからもしネガティブな感情が湧き上がってきたら、それを自分で認め、客観視して向き合い、居場所を与えてあげる。言ってみれば、表舞台に引っ張り出してしまうのです。

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実は、ネガティブな感情は居場所を与えられ、表に出されると、極めて居心地が悪くなる性質を持っています。こうなると自ら逃げていく。どうするかというと、たとえば嫉妬でも焦りでもなんでもいいのですが、それを感じたときにネガティブな感情を明示的に自覚するのです。できるなら言葉に出してみると良いでしょう。「焦りを感じているな」、「不安を感じているな」、「嫉妬を感じたな」といった具合です。するとネガティブな感情は居心地の悪さを感じ、その場から去っていきます。

 

湧き出てきたネガティブな感情を見て見ぬふりすれば、その瞬間は楽です。しかしそれだと彼らは逃げていきません。それどころか潜在意識の中に住み着き、中長期的に徐々に自分の心をむしばんでいきます。いっぽうその存在を認め、真正面から向き合うことは瞬間的には辛いことかもしれません。しかしそうすることで、永遠にネガティブな感情から解放されるのです。

 

感情は、自分にとって敵にも味方にもなります。すべての感情はそれ自体に意味があるので、それがどんな内容であれ、その感情と真摯に向き合うことが、まず大事。たとえその感情が嫉妬であっても、憎しみであっても、不安であっても、絶望であっても、素直にその存在を認めてあげましょう。しかしそれをそのまま社会生活の中で出してしまうと、自分にとっても他者にとっても、望ましくない結果を招きかねないものです。だから感情という存在を素直に認めてあげると同時に、その表出の前に“理性によるしつけ”を行うことで感情の暴走を防ぐ必要があります。

 

要するに、自分が感じるあらゆる感情には正当な理由があり、それらをすべて認めてあげる必要があるということ。そして外部に表出する際は、理性で責任を持って制御するということです。この認識を持っていたいものです。


ジョン・キム 吉本ばなな 「ジョンとばななの幸せって何ですか」(光文社刊・本体1,000円+税)

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吉本ばなな

1964年東京生まれ。’87年『キッチン』で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。’88年『ムーンライト・シャドウ』で泉鏡花文学賞、’89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で山本周五郎賞、’95年『アムリタ』で紫式部文学賞、’00年『不倫と南米』でドゥマゴ文学賞をそれぞれ受賞。海外でも多くの賞を受賞し、作品は30カ国以上で翻訳・出版されている。近著に『鳥たち』(集英社刊)、『ふなふな船橋』(朝日新聞出版社刊)など。

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ジョン・キム

'73年韓国・大邱生まれ。19歳で日本へ国費留学し、ハーバード大、慶應義塾大など世界の大学を渡り歩く。組織に縛られない「ノマドワーカー」の代表的存在として注目を集め、社会人版「キムゼミ」には多くの人が詰めかける。『媚びない人生』(ダイヤモンド社刊)、『来世でも読みたい恋愛論』(大和書房刊)など著書多数。
 

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