家族会議で「日本で暮らす」を考える

投稿日: 2016年10月04日 17:00 JST

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フランスの夏休みは2カ月以上。ちなみにうちの子の学校は6月17日から9月7日までが休みでした。日本の方がダントツに暑いのに、この差はなんでしょうね。正直、こんなに休まれると家事や料理に追われ、自分の時間がなくなってしまい大変、困ります(笑)。息子は夏休みの間、博多のおばあちゃんのところや埼玉の私のいとこの家などを転々と移動し、日本を満喫しておりました。あまりに楽しい夏休みだったのでしょう、帰りの空港で「パパ、ぼく、日本で暮らしたい」と言い出したのです。驚きました。パリに戻ってからも私はずっとそのことで悩み続けました。フランスの生活を畳んで日本に戻ることも考えました。子供の日本愛を考えると、それが自然なのかな、と思ったからです。パリには親戚が一人もいません。けれども、日本にはたくさんの親戚がいます。とくに息子はおばあちゃん子ですからね、高齢のおばあちゃんのすぐ傍にいたいのだと思います。

 

この秋から中学2年生。フランス語の成績は1番ですが、もし日本で暮らすとなると彼は国語、日本史などを一から勉強し直さないとなりません。何より、私は日本に「帰る」で済みますが、フランス生まれの息子は日本に「行く」ことになるわけです。日本語はしゃべることができますが、フランス語ほどではありません。フランスで生まれ、フランスの教育でここまで育ってしまった彼が果たして日本の学校や教育に馴染むことができるのか? 親のことで何かニュースがあるたびにいじめを受けたりしないだろうか? 外見は日本人ですが、12年間もフランスで生きた彼の頭の中はフランス人。フランスで築いた暮らしをすべて無くして日本に戻るのは一大事です。普通の引っ越しとはわけが違いますね。

 

そのようなことをこのところずっと悩んでいました。それで、今日、家族会議を開いたのです。議題は「日本で暮らす」でした。パパの仕事のことや、学校の問題などを長い時間話し合ったのですが、最後に息子はこう言いました。

 

「パパ、まだ時間があるよ。ゆっくりと考えよう。日本で楽しい休暇を過ごすと日本で暮らしたいと思うけれど、こうやってパリに帰ってくると、ここにはたくさんの幼馴染みたちがいることを思い出す。友情は財産だよね。何よりここはぼくの生まれ故郷だし。大学から日本という手もある」
と建設的な意見が戻ってきたのです。この問題は辻家の今後の課題ということになりました。同時に私の心の片隅に、このタイミングで日本に帰るのも手かもしれない、という思いが芽生えたのは事実です。家族会議は今後も続きそうですね。

 

さて、今日は「超軟らか親子丼」のご紹介です。材料、2~3人分:鶏むね肉、250~300g。玉ねぎ1個。だし醤油+みりんを同量で、合わせて約半カップ。(だし汁、醤油、みりん1:1:1でもOK)酒、3分の1カップ、片栗粉大さじ2、卵4個、白ご飯。

 

パン切り包丁で鶏むね肉を薄切りにします。繊維がざくざくと切れて味が染みやすくなるのです。30分ほど酒に漬け置きし、鶏肉が酒を吸ったら余分な酒を捨てて、片栗粉をまぶします。薄くスライスした玉ねぎをごま油で炒め、しんなりしたらだし醤油とみりん、合わせて半カップ分を注ぎます。ひと煮立ちしたところで先の鶏肉を投入。中火にして肉に火をよく通します。溶き卵の3分の2をここで投入し、よく絡んだら、火を止め、残りの溶き卵を上からふりかけ、鍋にふたをし、蒸して完成です。温かい白ご飯にかけましょう。お好みで刻みのりや三つ葉を添えてください。コツはパン切り包丁、鶏むね肉を酒に浸し、片栗粉でまぶすこと、です。簡単で超軟らかい親子丼、家族が幸せに包まれること請け合いです。

 

ボナペティ!

 

エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!

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辻 仁成

作家。東京都生まれ。'89年「ピアニシモ」ですばる文学賞、'97年「海峡の光」で芥川賞、'99年「白仏」で、仏フェミナ賞・外国小説賞を受賞。映画監督、演出家としても活躍。現在はシングルファザー、パリで息子と2人暮らし。
 
DESIGNSTORIES『JINSEI STORIES』
http://www.designstoriesinc.com/jinsei/

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