暗い話題の気分転換に♪甘さ控えめパンナコッタ

投稿日: 2017年08月29日 17:00 JST

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ヨーロッパではテロのニュースばかりです。この連載にもよく登場する息子の親友アレクサンドル君の家の前でもテロがあり、銃撃戦の末、警察官が亡くなりました。シャンゼリゼでは当日、大勢の市民や観光客らがアレクサンドル君の家へと逃げ込んで来たのです。そして、呼び鈴を鳴らしました。彼の両親はすぐに全員を家の中へと招き入れました。怯える人々のためにコーヒーを淹れ、即席ケーキまで作って配ったのです。彼らの家のサロンは見ず知らずの人達で溢れかえりました。

 

普通だったら、知らない人を家に入れることなどしません。でも、緊急事態ですからね、私だって同じことが起きたらそうするでしょうね。2時間後、ニュースにより事態が収束したことを知った人たちは一人一人、お礼を残して家路に戻っていきました。最近はテロがなくなるどころか、もはや日常化しています。ISはシリアや中東での戦争よりも世界各地のテロ攻撃にシフトしつつあります。ロンドンでも繰り返しテロが起きています。ドイツやスペインなど、毎日どこかで大なり小なりテロが起きているのです。さらにIS指導部の命令によるテロばかりではなく、差別や人生に不満を持つ一般の人たちの自主的なテロが増えてきました。テロと日常が隣接する時代になったということが言えるでしょう。

 

テロが起こった時、その現場周辺ではアレクサンドル君のところのように多くの市民が避難を求め、それらを匿う方々もいます。犯人や被害者の数だけではなく、その地域がどのように連帯し、犠牲を減らすように助け合ったのかも報道されたらいいですね。テロを身近に感じた人たちの心のトラウマについても追いかけ調査していただきたいと思うのです。実は、そのシャンゼリゼでテロが起きた日の前日、うちの息子はアレクサンドル君の部屋に泊まっていました。私が日本に行くときなどに、息子を預かってくれるご家庭なのです。その日も1泊して自分でバスにのり、シャンゼリゼから自宅まで戻ってきました。そのバス停のすぐ目と鼻の先でテロが起きたのです。もしも1日前だったら……。想像するだけで身の毛がよだちました。しかし、テロはどこで起きてもおかしくない時代。防ごうと思ってなかなか防げるものではありません。テロと生きる時代に私たちはいるのです。

 

さて、気分を変えましょう。辛い悲しいと言い続けているとテロリストの思うつぼですから、そういう時は明るい気持ちになれる、美味しいデザートはいかがですか。そこで今日は、簡単に作れる辻家の定番デザートをご紹介しますね。甘さ控えめな「大人のパンナコッタ」です!

 

材料4人分:牛乳300㏄、生クリーム200㏄、砂糖30g、ゼラチン5g、ラム酒小さじ1、季節のフルーツ・バニラアイス・シャンパンを各適量。

 

まず、小鍋に牛乳、生クリーム、砂糖を加え弱火にかけます。ふつふつ煮立ってきたら、水で戻した板ゼラチン(もしくは、粉ゼラチンを少量のぬるま湯でふやかしたもの)を加えてよく混ぜてください。ゼラチンが完全に溶けたらパンナコッタ液を小鍋からボウルに移し、それを氷水の入った大きめのボウルに浮かして、パンナコッタ液が冷たくなるまでゴムベラでよく混ぜます。ガラス容器にパンナコッタ液を分け入れ、冷蔵庫で2時間くらい冷やしましょう。固まったら季節のフルーツとバニラアイスをのせ、上からシャンパンをかけて出来上がり。

 

我が家では「GAVOTTES」という薄焼きバタークレープ菓子を手で粉々にして振りかけて食べます。奥様方のランチパーティのお供に、どうぞ。

 

ボナペティ!

 

 

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辻 仁成

作家。東京都生まれ。'89年「ピアニシモ」ですばる文学賞、'97年「海峡の光」で芥川賞、'99年「白仏」で、仏フェミナ賞・外国小説賞を受賞。映画監督、演出家としても活躍。現在はシングルファザー、パリで息子と2人暮らし。
 
DESIGNSTORIES『JINSEI STORIES』
http://www.designstoriesinc.com/jinsei/

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