“父子の絆”深めた愛情たっぷり卵料理

投稿日: 2017年11月14日 17:00 JST

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大の料理好きが高じまして、ついに先月、料理小説集を出版しました。題して『エッグマン』。題名からしてお分かりかと思いますが、全編、卵料理のお話です。主人公のエッグマンが卵料理をこしらえては人々の悲しみや孤独を癒していく物語です。世の中には、半熟卵、卵焼き、オムライス、卵丼、スクランブルエッグ、目玉焼き、エッグベネディクト、卵サンド、卵炒飯など、数えきれない卵料理が存在します。おいしい卵料理が目の前にあれば笑顔にもなるし、孤独も紛れ、悲しんでばかりいられなくなります。結局、人間は腹が減れば苛立ち腹が立ちますけど、腹がいっぱいになれば満たされ多少のことは我慢できるようになります。この作品は卵料理という基本中の基本の料理を物語の根底に置き、人々を癒し救い勇気づけていく作品を目指しました。

 

元料理人のエッグマンことサトジが、母子家庭の母とその娘が抱える様々な問題を、卵料理で解決していきます。娘は母親に近づいてきたサトジのことを最初毛嫌いするのですが、大の卵好き。次から次においしい卵料理を作るサトジにいつしか心を開くようになります。この母子はたくさんの問題を抱えているのですが、たとえば娘の父親の問題、娘の学校の問題、娘自身の問題など、思春期の娘さんが抱える、ありとあらゆる問題を、これまたエッグマンが卵料理によって解決していくことになります。

 

実は、我が家でも卵料理が大活躍した時期があります。シングルファザーになった直後のことです。卵料理はある意味手軽ですからね。息子が私のために見様見真似で最初に作ってくれたのがオムライスでした。慣れない主夫生活、私が途方に暮れていたとき、息子が私を励ますためにこしらえてくれたのです。その後、フレンチトーストとスクランブルエッグを一緒に作りました。モンサンミッシェルに行って2人で食べたふわふわオムレツも再現しましたよ。卵料理は料理の基本中の基本なので、子どもと一緒に作るのに最適です。小説の中でもエッグマンが娘に料理を教えるシーンがあります。息子と一緒にキッチンに立ったときのことが参考になっています。料理小説集『エッグマン』を読んでいただければ、間違いなく家族みんなで卵料理を作って食べたくなりますし、卵は高価じゃないのでいくらでも作ることが出来、幸せたくさん! まさに困ったときのエッグマンなのです!

 

ということで今日は超簡単な卵料理を一品、ご紹介しましょう。フランスといえばマヨネーズの国。こちらの人は家庭で新鮮なマヨネーズを手作りします。それを卵にかけて食べるのが、パリジャン流。これを、ウフ・マヨネーズといいます。ウフは卵のこと。カフェに行くと必ずメニューに載っているほどの定番メニューなんですよ。最初は、卵にマヨネーズかよ、と驚きましたが、意外と癖になる味です。もちろん、マヨネーズが決め手となります。

 

材料4人分:固めにゆでた卵4個、卵黄2~3個、酢大さじ1、レモン汁大さじ2分の1、マスタード小さじ2分の1、塩・こしょう少々、サラダオイル1カップ。

 

まず、卵黄、酢、レモン汁、マスタードをボウルに入れ、白っぽくなるまで根気よく混ぜます。そこにサラダオイルを少しずつ加えていき、さらに混ぜ合わせます。混ぜては少し加え、を繰り返すようにしましょう。分離しないように混ぜる手を止めず、ツノが立つようになるまでしっかり混ぜていきます。最後に塩・こしょうで味を調えたらマヨネーズの完成。固めにゆでた卵を横に2等分に切り、お皿に並べ、その上に自家製のマヨネーズをのせて、ウフ・マヨネーズの完成です。

 

パリのカフェの味を、ご家庭でお楽しみください。

 

ボナペティ!

 

 

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辻 仁成

作家。東京都生まれ。'89年「ピアニシモ」ですばる文学賞、'97年「海峡の光」で芥川賞、'99年「白仏」で、仏フェミナ賞・外国小説賞を受賞。映画監督、演出家としても活躍。現在はシングルファザー、パリで息子と2人暮らし。
 
DESIGNSTORIES『JINSEI STORIES』
http://www.designstoriesinc.com/jinsei/

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