連載第29回 「クーガー女子」に取って代わる「12月熟女」の「5月・12月婚」

投稿日: 2014年05月27日 00:00 JST

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連載第29回 「クーガー女子」に取って代わる「12月熟女」の「5月・12月婚」

日本語の「寄る年波」という表現を、アメリカ人の友人たちにユアサが英訳してあげると、「抗わない理想的な円熟の迎え方だ」と心から嬉しがります。
その円熟世代で、アメリカではひとつの新たなブームが生まれています。
それは「5月・12月婚」を目指す「12月熟女」の存在です。
「5月・12月婚」って?「12月熟女」って?

 

欧米では、人生を暦の「月」にたとえる慣習があります。
5月は「若者世代」、12月は「ベテラン世代」。つまり、「5月・12月婚」(英語だとメイ・ディッセンバー・マリッジ)とは年の差婚を指しています。
日本と違いアメリカでは何十歳もの年の差婚が、「年下妻と年上夫」という関係で当たり前のように多く見られます。しかし、ここにきてニューヨークで、「12月熟女」が、何十歳も年下の男性と夫婦となる例がかなり増えてきているのです。

 

実際、最近の欧米各国の統計では、熟年女性の約3分の1が年下男性と付き合っているという調査データがしばしば出ているようです。
日本でも近年、肉食系女子や草食系男子などが流行語となっていますが、アメリカでも、年下男性好きなワイルドな肉食系女子が目立っています。
しかし、そんな肉食系女子を表現するときに「12月熟女」ももちろんありますが、別の「クーガー女子」の存在も注目されています。
「クーガー女子」とは、’09年から続く『クーガー・タウン』というアメリカのテレビ番組から派生した言葉です。何事にも積極的で、恋愛にも前向きな熟年女性たちの活躍ぶりを描き、喝采を博したことで全米に広まりました。

 

ところが、ややもすると刹那的傾向が強いとされる「肉食系クーガー女子」に「5月・12月婚」を当てはめると、まるで〝5月から12月までの半年で終わる関係〟という誤解を与えかねないわけで、恋愛関係だけを目指す熟女に限定した場合にだけ、「クーガー女子」という表現を当てはめるべきでしょう。

 

ここでニューヨーク文化についてユアサの一口メモ。
ニューヨークは、ヴィレッジなど最新のファンキーな文化の発信地でありながら、実は全体的には、成熟した大人の街としての特徴を持っています。
ですから、当地での成熟した女性の発言権は相当強く、熟女ヒロインのタイプのひとつには間違いなく、この猛烈肉食派の頂点「クーガー女子」も入っているわけです。
日本の肉食女子は年齢制限がないのに対し、「クーガー女子」は熟女でなくてはならず、30代以下はNGとなるのです。

 

先ほど、ニューヨークの「12月熟女」がブームとなりつつあると述べましたが、「クーガー女子」との違いはどこにあるのでしょうか?
どちらも、年上熟女が年下男性をゲットする点は似ています。
「12月熟女」には40歳前後はもちろん、かなり上の世代も含まれており、40代が中軸を占める「クーガー女子」よりも年齢の幅が広いのですが、それ以外にも両者には違いがあります。
国際弁護士ユアサの分析では、以下の3つです。

 

まず、第1点。「歴史的背景の違い」があります。
大人の街・ニューヨークの熟女ヒロイン「クーガー女子」が、アメリカで大きな注目を浴び出したのは、前述のとおりここ数年です。
ところが、「12月熟女」の由来はヨーロッパにあり、ネット社会以前から、欧米各地のニュース雑誌で見かける表現でした。

 

次は、アメリカ社会での「立ち位置の違い」です。
「クーガー女子」ブームの1年前、アメリカ発で世界経済を震撼させたニュースがありました。リーマンショックです。
‘08年のリーマンショックで、欧米経済を主導してきた「男性中心主義」社会がダメージを受けたので、その反作用として、強引な女性たちを賛美する「クーガー女子」ブームが開花した、と国際弁護士ユアサは分析します。
「クーガー女子」は女性トレンドである以上に、優れて〝社会トレンド〟だったのです。

 

では、第3の違いとは何でしょうか?
ズバリ言えば、「ターゲットの違い」です。
「クーガー女子」は年下男性との恋愛を楽しみます。それに対して、「12月熟女」のターゲットは結婚です。
それゆえ、ニューヨーク女性の多くは、「クーガー女子」のような派手な言動は好まず、実を取ります。ユアサ個人の見聞では、結婚確率は「クーガー女子」より「12月熟女」のほうが格段に上回っています。
だからこそ、〝遊びに走る傾向が高い〟と評されるクーガー女性にとって代わり、この「5月・12月婚」目指す「12月熟女」が今、ニューヨークで勢いを増しているのです。

 

ここで、「年の差夫婦」の具体例の一つとして、ユアサの知人であるアメリカ人女性弁護士のケースを紹介したいと思います。
数カ月前、ロンドンに引っ越していったこの夫婦は、「5月・12月婚」の典型で、夫が20代の映画監督、妻が60代のウォール街の女性弁護士で、年の差はなんと40歳もあります。ある弁護士が集まる会合で、彼女は問わず語りに、「12月熟女」の「5月・12月婚」に至る『てこの原理』を教えてくれました。

 

「ポイントは、私たちの場合、年下の彼は、もともと2人の間の40歳の年齢差なんて全く気にしていないワケ。だけど、年上の私は、やっぱり気にする。彼はどうして僕の言うことがわからないんだろうって、ちょっぴりジレンマを抱く・・・・。でも、ある時、私もやっと心を決めたの。彼に私はこう言ったの。『つきあえばつきあうほど、私はあなたが正しいって気が付いたわ。時間がたつにつれて、年齢差って、2人の間から消えていくのね。今では、あなたが私より年下なんて思いもしないわ』って。すると、彼は大喜び! 自分が正しかったでしょって、はしゃぐったらないの。長い話を短くすれば、こうして『5月・12月婚』っていうわけよ」

 

聞いていたユアサら男性弁護士たちには、突っ込む言葉も見当たりません。
年の差という一見、不利とも思えるポイントを逆に、ぶれない〝支点〟として落ち着いて活用し、「12月熟女」が〝男性中心主義社会の常識〟を鮮やかに覆したわけです。
クーガー女子の強引さとは一線を画する、年下夫をゲットした「ウォール街のてこの原理」とは、単純に見れば「小さいパワーで、重いモノを持ち上げる」という、ウォール街で小が大を呑み込む企業買収のテクニックでよく用いられる方法論でした。

 

偉大なパワーを、誰もが心の中に持っています。
何より大切なのは、ウォール街でもどこでも、結婚は想いの強さがもたらすものであり、〝人と人との想いは、地球より重い〟と、国際弁護士ユアサは保証します。

(了)

 

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