連載第32回 「アメリカで憧れの職種ナンバーワンは、ニューヨークの編集者」

投稿日: 2014年07月08日 00:00 JST

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連載第32回 「アメリカで憧れの職種ナンバーワンは、ニューヨークの編集者」

アメリカで憧れの職種ナンバーワンは、ニューヨークの編集者である、と国際弁護士ユアサは断言します。

考えてみれば、あのキャロライン・ケネディが、ニューヨークの腕利きの弁護士であると同時に、腕利きの編集者であることは、駐日アメリカ大使として日本に赴任するよりもずっと以前から有名です。
〝法の支配〟が徹底するアメリカで、パワフルな法律家の立場を持つキャロラインに、更なる輝きとパワーを与える「ニューヨークの編集者」のオーラの正体とは何か?
この問題を今回は考えてみたいと思います。

 

アメリカでは「ニューヨークの編集者」のオーラたるや絶大です。
ウォール街と首都ワシントンは人間的付き合いでは隣町の気軽さなので、ホワイトハウスの閣僚経験者たちと話す機会が、国際弁護士ユアサの日常生活には長年にわたってあります。そうした際に、よく耳にする彼らの共通した声が、「政治家にならなかったとしたら、夢を言わせてもらえばニューヨークの編集者になりたかった」というものです。

 

憧れの根拠になっているのは、「世の中のトレンドを見極め、社会や文化のグランドビジョンを冷徹に見通す職種=ニューヨークの編集者」という考え方です。
アメリカは「自由」を大切にしますが、それは地に足の着いた「自由」なのです。
ニューヨークの大地に根を下ろした「ニューヨークの編集者」の「自由」は、生活に深く根差した独特の輝くオーラを持っているように見えるのです。

 

さて、ジャーナリズムへの熱い視線は、首都ワシントンからだけではありません。
ニューヨークの南端ウォール街でもかなりなものです。ただし、ウォール街の立場は、社会的・文化的イメージというよりもっとずっと現実的です。

 

一般論ですが、昨年来、メディア分野へのウォール街の投資熱が急速に高まり、増大しているといわれています。
日本と違い、アメリカのメディアの圧倒的多数はローカルです。特にローカルなメディアやジャーナリズムに向けたウォール街の投資熱が、ここのところ半端ありません。
アメリカンビジネス的な言い方をすれば、ローカルの中のローカルがニューヨークであるのです。ミッドタウンやビレッジやブルックリンも含め、ローカルメディアが熱いからこそ、ニューヨークは全米メディアの圧倒的中心地であり続けているのです。

 

「ニューヨークの編集者」にパワフルなオーラが伴う背景には何があるのか?
根本的理由は、ジャーナリズムがアメリカで三権分立に次ぐ「第4の権力」と呼ばれるほど、強力なチェック機能を持っているからです。
ウォール街の視座に立って、より具体的に、もっとはっきり言えば、ニューヨークの雑誌編集者の知的な文章力によるところが大きいのです。

 

訴訟でもぎりぎりの交渉でも、「ここぞという時」に流れをグイと引き寄せるのは「決め言葉」です。訴訟は99%が地道な仕事の積み重ねで、ハリウッド映画や法廷ドラマに登場するエキサイティングなシーンはわずか1%に過ぎません。ですから、派手な映画脚本や首都ワシントンの大向こう受けする政治スピーチから教わることはほとんど皆無である、というのがウォール街の常識です。

 

それとは対照的に、ニューヨークの雑誌編集者の文章力には時として、他のアメリカンメディアとは別格のキラリと光るオーラを感じる、というのがウォール街の意見です。
彼らの文章には「決め言葉」として「ニューヨーク」が見事に生かされているのです。
たとえば、何かを批判し始めるとき、当地ニューヨークでの口癖はこんな感じです。
「私はここニューヨークにいる。あなたもここニューヨークにいる。ニューヨークでは、そんな小理屈が通りはしないことを、あなたも私も知っているのです!」(「私」は「ニューヨークの編集者」で、「あなた」は「ニューヨークで暮らす読者」を意味します)
この文章にニューヨーカーが大喝采する次第です。
これがウォール街の実感なのですから、ほかに説明しようがありません。

 

ニューヨークの編集者が知的論理力を鍛えようとする様は、対決勝負そのもののようにも見えることがあります。
かつて、コロンビア法科大学院時代の恩師である教授に国際弁護士ユアサが招かれ、単独で独占禁止法と知的所有権法についてスピーチを行った折、教室の後ろから鋭角的な質問を飛ばすアメリカ人学生の存在に気が付きました。
さすがにニューヨークには、これまで接したことがないユニークな切れ味の質問をする法科大学院生がいるな、とユアサは内心舌を巻いていました。

 

授業の後、その学生が非常に勉強になったとあいさつに来て、名刺を出されて驚きました。
アメリカではそもそも名刺を日本のようには使いませんし、学生から名刺をもらったのが初めてだったから驚いたわけではありません。
何と彼はニューヨークのやり手の編集者で、聴講生としてユアサの講演を聞いていたのです。ちなみに、彼は今やニューヨークメディアの重鎮の一人となっています。

 

アメリカのロースクールの教室は、一般的に丁々発止の大論争は当たり前で、しばしばテレビの討論番組以上の過熱ぶりをみせます。しかし、そのやり手編集者は、質問の法的角度が尋常でない鋭さで、アメリカの法律エリートとも違う、ある意味で異文化コミュニケーションというべき知的「闘論」であったと実感できたのでした。
世界の法律家たちは法をうっかり便利なツールのように使いたがり、逆にそれにのみ込まれてしまいがちですが、彼はその法的ツールなるものに対峙して、「ニューヨークという決め言葉」を武器として、大地に根を生やしたように堂々と立ち向かってきたのです。

 

「ニューヨーク」という「決め言葉」には、「ニューヨーク」の大地に根差した深みが伴います。こうした点でも、雑誌などのジャーナリズムが、法の世界に与える知的刺激は、非常にあると国際弁護士ユアサは見ています。

 

さて、こうしたメディアや法律社会の中心がニューヨークであるというのは偶然ではないでしょう。
アメリカ人弁護士社会の感覚で、相対的に最もパワーがあるのはニューヨークの弁護士であると、全米の常識として言われることが多いようです。たとえば、アメリカのビジネス法の中軸に位置するのはデラウェア州の企業法ですが、これも実際に起草したのはニューヨークの弁護士たちでした。
結局、ニューヨークは、編集者とウォール街の法律家という異文化パワー同士のせめぎ合いの場でもあるのです。

 

しかし、そこには相いれない壁もまたあるのです。ウォール街の「ウォール」が「壁」という意味なのは偶然ではありません。
国際弁護士ユアサの長年の親友であるローガン弁護士は、若き日からデービッド・ロックフェラーに最高顧問弁護士として抜擢され世界中を駆け巡りましたが、メディアとは25年間も話をしなかったことで知られています。
「秘密が本性のようなタイプの弁護士」と形容され、ウォール街で「ファイナンス法の神様」と呼ばれるローガン弁護士にとって、あらゆる類いのメディアとウォール街とは、そもそも水と油の関係なのです。

 

一方、「ニューヨークの編集者」もその研ぎ澄まされた知的論理力を自在に駆使して、情報化時代の最後の砦といわれるウォール街の極秘の知的戦略に迫ろうとしています。
この「ニューヨークの編集者」とウォール街の知的せめぎ合いが、ニューヨークを偉大にし、ニューヨークの編集者に全米の憧れのオーラを与え続けてきているのです。

 

「ニューヨークの編集者」がタフなことで知られるウォール街すら一目置く、深みのあるオーラを今後も持ち続けることを、国際弁護士ユアサは保証します。なぜなら、彼らこそその知的文章力の一環として、「ニューヨーク」という「決め言葉」を最も鮮やかに握っているからです。
ニューヨークという世界一派手な輝きに決して負けない「深くニューヨークの大地に根を下ろしたオーラ!」
それこそが「ニューヨークの編集者」の持つ、全米憧れの職業のオーラの正体なのだ、とユアサは確信しています。

(了)

 

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