一流料理人が語る「亡き母に作ってあげたかった料理」

投稿日: 2017年11月11日 11:00 JST

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料理に人生のすべてをかけてきた日本を代表するシェフたちが、人生の終わりに作りたい料理とは、誰のためのどんなメニューなのだろうか? そのときを想像しながら、巨匠が目の前で調理してくれた渾身の一皿。題して『マエストロたちの最後の晩餐』。明日、人生が終わるとしたら、あなたは最後に何を作りますか?

 

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■『リストランテ アクアパッツァ』オーナーシェフ・日高良実さん

 

これは亡きお母様へのラブレターになるかもしれない。日高さんが作りたい最後の料理の記事を書いていて頭をよぎった。ボンゴレとカキフライ。なぜこの2品なのか尋ねると、「母が生きていたら食べてもらいたかった思い入れのある料理だから」と日高さん。

 

「父は20年ほど前に亡くなったのですが、じつは両親に料理を作ったことはない。今年、母が亡くなったからこそ思います。もっと元気なときに作ってあげたかったなって」

 

1月に87歳で他界した母親への思いが、そのまま今回のテーマへの素直な答えとなった。2品とも料理人としてだけでなく、個人的に好きな味。だから息子として最愛の母に食べてもらいたかった味だ。

 

ボンゴレは看板料理のアクアパッツァにも使う魚介のだしとアサリがたっぷり入る。パスタは硬めにゆでたリングイネ。

 

「イタリアで初めて硬い麺のボンゴレを食べたとき、これが本物だと思った。毎日食べても飽きないほど自分が好きだから、作ってあげたかった」

 

カキフライは毎年シーズンになるとご近所に振る舞う、人と人のつながりの味。ぷっくり大きいカキとのバランスを考えて、うま味をガードするよう少し厚めの衣で揚げるこだわりだ。歯を入れるとサクッとミルキーな風味が口の中ではじける優しい味わい。

 

「母はどんな顔をするかな。現実には無理だから夢の中で。そんな夢を見たいですね」

 

料理に込めた感謝の気持ちがじわりと染みる。お母様もきっと天国で、その思いを味わってくれるはず。

 

【リストランテ アクアパッツァ】

店名にもまっているイタリアを代表する魚料理をはじめ、郷土の味を洗練した一皿に再構築して提供し続ける。日本を代表するイタリアンとして人気を博している。

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