雨の北海道で山歩き。展望以外にも魅力はもりだくさん♪

投稿日: 2015年08月17日 17:00 JST

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梅雨のない北海道で快適な山歩きを堪能するはずが…

ANAのヒコーキに乗って全国の「ご当地名山」をめぐる山歩き。今回は6月下旬、梅雨とは無縁のはずの北海道を訪れました。真っ青な空に緑の大地を眺め、可憐な高山植物が咲く北の峰々を快適に歩き回る。そんな目論見は初日から崩れ去ってしまいました。新千歳空港に到着したときから重い雲が立ち込め、気温は15度前後。アーリーサマーとは程遠い気象状況……。それから1週間の滞在中、日本海に低気圧が居座り続け、青空がのぞいたのはわずか3時間程度。すっかり雨にたたられた山歩きでしたが、雨の山ならではの発見、美しい光景もありました。1回目は神秘的な支笏湖を見下ろす樽前山と隣の風不死岳(ふっぷしだけ)へ。空港からも近く、ぜひ訪れたい山です。

 

溶岩ドームのド迫力に圧倒される樽前山(標高1041m)

太平洋岸を走るJR室蘭本線(あるいは国道36号線)の苫小牧市から白老町にかけての車窓から、堂々とした山容の火山が目に飛び込んでくる。樽前山である。1909年(明治42年)の大噴火によってできた巨大な溶岩ドームを持つ三重式の活火山で、今なお白い噴煙を上げ続けている。火口原は立ち入り禁止。(火山情報は必ず事前にチェックを!)

この20年間、毎年のように北海道に来ている。そのたびに樽前山に登って大自然のパワーをもらってきた。拙著『酒と温泉を楽しむ!B級山歩き』(光文社・知恵の森文庫)の中でも、この愛すべき山を紹介している。登り口は七合目の駐車場なので、外輪山のピーク・東山(1022m)まで50分ほどで登ることができる。道も広く、初心者にはもってこいのコースである。

天気は曇り。雨粒はまだ落ちてきていない。登山届を記入してゆっくりと歩き始め、10分もすると砂礫の展望台に着く。原野の向こうに支笏湖を一望できるビューポイントだ。高山植物の可憐な花を見ながら進む。道の傾斜が緩くなってきたら、まもなく外輪山の取り付けだ。遮るものがない場所なので、強風には気をつけたい。左手に進むと神社奥宮を経て西山のピーク(994m)に出る。このあたりから眺める溶岩ドームは、まさに迫力満点。白い噴煙、ゴツゴツとした台形状の巨大な姿、その存在感に圧倒されてしまう。

西山ピーク付近からドームを右手に見ながら細い道を進む。30分ほどで東山からの道と合流。932峰のコルを右に進み、風不死岳への分岐に向かう。

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絶景を期待した風不死岳(1102m)の山頂はガスで視界ゼロ

9000年前に火山活動が始まった樽前山は、今も活動を続け外輪山や山腹は砂礫や露岩が支配し、樹林の姿はない。一方、風不死岳は約4万年前に活動が始まった古い山のため、山腹から頂上にかけダケカンバなどの樹木に覆われている。同じ活火山でも姿は好対照だ。 風不死岳はアイヌ語でフップ・ウシ。トドマツの多い山という意味だという。美しいダケカンバ林の中を進む。気持ちのいいコースだ。ガスが出てきた。木々を白いベールが包んでいく。幻想的な光景に見とれてしまう。晴天の日には見られないシーンである。林を抜けると鎖場があらわれる。10mほどの巨岩の裂け目に足をひっかけながら、3点支持で体を引き上げていく。初心者の人はひるんでしまうかもしれないが、ホールドしやすい岩なので、鎖に頼り切らず、慎重に手足の3点を確保しながら登れば、問題はない。

やがて平坦なクマザサが茂った道のりとなる。いかにもヒグマが出てきそうな場所だけに、鈴の音を鳴らしながら足早に通り過ぎる。道は緩い登りになり、ピークのように見えるコブがあらわれる。だが、ここはニセピーク。山頂はもう少し先である。灌木の間をいったん下り、最後の急登が待つ。ここをこなせば待望の山頂に到達だ。

ピークでは若い女性を含む5人のパーティがくつろいでいた。あたり一面を覆うガスのため眺望はゼロ。天気が良ければ、眼下に神秘的なコバルトブルーの水を湛えた支笏湖が広がり、対岸に恵庭岳が峻嶮な姿で迫る。雲海の上に蝦夷富士・羊蹄山が浮かぶことも。仕方がない。絶景は次回に期待しよう。ガスコンロに火をつけ、コッヘルで湯を沸かす。フリーズドライの豆腐チゲスープ(アマノフーズ)を作り、持参した弁当で山頂ランチを楽しむ。スープの香りが漂うと、下山準備を始めたパーティの一人が声をかけてきた。

「いい匂いですね」

「これ、フリーズドライだから簡単ですよ」

「へー、こんなの売っているのですか」

他愛もない会話。聞けば、彼はこの山は初めてだという。

「天気が良かったら最高の景色が楽しめると聞いていたので残念です」

「また来てくださいよ」

5人組が去ると、急に風が強まってきた。長居は禁物。そろそろ下りることにしよう。

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樽前山北東斜面に広がる見事なお花畑に感動

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ついに雨粒が落ち始めてきた。登ってきたコースを引き返し、風不死岳分岐から樽前山の北東斜面を下るコースを進んだ。雨は降ったり止んだり。あいにくの天気だが、神からのプレゼントが待っていた。樽前山の北東斜面に一面のお花畑が広がり、可憐な花が今を盛りとばかり咲き誇っていたのだ。レモンイエローのウコンウツギ、白い可憐な花を半球状に付けたイソツツジ、そして樽前山の名物・薄紫の花タルマイソウ(イワブクロ)。白い綿毛に包まれたミヤマヤナギはなんとも神秘的だ。葉についた水滴が宝石のように煌めく。

雨模様で登山客も少なく、お花畑の絶景を独り占めである。雨もまた良し、としようか。

所要時間 約6時間(休憩含む)
(樽前山往復のみ約2時間)

 

【パワースポット】支笏湖~湖畔に立ち、風で湖面が波立つと金運に恵まれる

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日本最北の不凍湖で全国有数の透明度を誇る支笏湖。不風死岳山頂から見るその姿はまさに神秘的な美しさだ。ある新興宗教の教祖は「この湖は聖地になる」と言い、ある宗教関係者は近くの宿を借りきって、「神が降臨するまで」と言って滞在していったそうだ。ま、それはともかく、湖の岸辺に立って波が立つと金運に恵まれるという言い伝えがある。

湖畔のカフェ「LOG BEAR」に立ち寄り、マスターの吉川英之さんと話し込む。この地で開業して29年という吉川さんは、近くでユースホステルも営み、支笏湖の生き字引みたいな人。絶妙のトークで客の心をつかむ。ファンの多い店で、自家焙煎のコーヒーは香り、味わいともに深く、うまい。カヌー体験も申し込めるというので、さっそく挑戦。ニセコで長い間ラフティングやカヤックのインストラクターをやってきた元自衛官の日隈さんの案内で、千歳川源流部から真っ赤な山線鉄橋(かつてここまで王子製紙の軽便鉄道が通じていた)をくぐり支笏湖へ出るコースをめぐった。水面スレスレをゆったりと進むカヌー。風を感じながら色の変わる水面を眺める。穏やかな時間が過ぎていく。5、6組のカヌー客とすれ違う。女性が多い。見るだけでなく、アウトドアレジャーを存分に楽しみたい湖である。

そういえばカヌーで湖に出た時、風が吹き波立っていた。これで金運バッチリか?!

問い合わせ LOG BEAR 千歳市支笏湖温泉番外地
TEL:0123-25-2738

 

【温泉】湖畔の露天風呂に浸かり、登った山を眺める

支笏湖畔には数多くの温泉宿がある。豪華な施設を備えたホテルもあるが、個人的に好きなのは温泉街の対岸にある大正4年創業の「丸駒温泉旅館」。国内でも数少ない足元湧出湯で、水路に敷かれた砂利で湯量を加減し、湯音を調節しているという。支笏湖の水面と一体化した露天風呂に浸かりながら正面に見える風不死岳、樽前山の姿を楽しむ。極上のひとときだ。「日本秘湯を守る会」の一員。泉質は「塩化物泉(含土類・石膏―食塩泉)」で海水の成分に似た食塩を含んでいる。

問い合わせ 丸駒温泉旅館 千歳市支笏湖幌美内7番地
TEL:0123-25-2341

 

ANA 山ガールの北海道自慢

「北海道には魅力的な山がいっぱい。ぜひ登りに来てください!」

ANA新千歳空港株式会社 グランドサービス部 貨物郵便課
髙橋 博美さん

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地元・千歳市出身の髙橋さんは子供のころから飛行機を見て育ち、「大きくなったら空港で働く」と決めていたそうだ。グランドスタッフを務めた後、4年前からいまの職場で働いている。デスクワークの他、ヘルメット姿でコンテナの検量作業などもこなす。てきぱきと指示を出している姿が凛凛しい。

職場を離れた高橋さん、オフタイムは典型的なアウトドアガールに変身する。夏から秋は山歩き、キャンプ、冬はスノボーと北海道の大自然を楽しみ尽くしている。お好みの山を聞いてみた。

「いちばん登っているのは地元の樽前山ですね。手軽に登れますので、仲間とピクニック気分で。1シーズンに何回も行くことで、咲いている花の移り変わり、景色の変化を楽しめます。いつもは七合目の駐車場からスタートするのですが、一度、職場の後輩と一緒に千歳市内から挑戦したことがあります。36キロの道のりをひたすら歩き、登りました。朝4時に出て、七合目まで下りてきたのは夕方の6時でした。さすがに帰りは迎えに来てもらいましたけど(笑)」

凄い!そんな高橋さんにとって山歩きの魅力は何なのか。

「非日常の世界に身を置くことができる点がいちばんの魅力でしょうね。山を歩いているとき、本当に生きている実感がします。山はいろんな表情を見せてくれます。大自然のすばらしさを体感できる一方、天候の急変など厳しさもあります。ツライ登りは自分との戦い。そうした状況を乗り越えて山頂に立った時の達成感、充実感は最高です。神様からいただいたご褒美でしょうか。無事に下りてきたときは、自然と感謝の気持ちが湧いてきますよ」

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北海道の秀峰・羊蹄山もお気に入りで「これまでに7、8回登った」そう。最近は、6月の山開き以降、樽前山→恵庭岳→大雪山・旭岳→羊蹄山とステップを踏み、最後に富士山に登るというパターンが定着してきたという。海外の名峰に挑戦する日も近いかもしれない。

次回は外国人急増のニセコの名峰・ニセコアンヌプリの魅力を紹介します。

 

※一部写真は以前に撮影したものです。

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山田 稔

'60年生まれ。長野県出身。「日刊ゲンダイ」 編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会関連の記事を執筆中。趣味は山歩き、アジア・沖縄旅、男の気まま料理。著書に『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』(光文社・知恵の森文庫)。「分煙社会のススメ。」(光文社)
 

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