海外のハイカーも注目する「ニセコアンヌプリ」の魅力

投稿日: 2015年08月31日 17:00 JST

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蝦夷富士・羊蹄山(ようていざん)を眺める山 ニセコアンヌプリ(1308m)の魅力

今やすっかり外国人のリゾート地となったニセコは、新千歳空港から車で約2時間。年間の外国人宿泊客が40万人ともいわれ、外国人居住者も約200人いるという。以前まではパウダースノーを体感できる冬のスキー・スノーボードが主流だったが、最近ではラフティングをはじめ、夏のアウトドアを楽しむ外国人も急増中。地元の観光雑誌ではSUP(サップ)という、浮力のあるロングボードに立ってパドルを駆使して川を下るアクティビティが特集されていた。トレッキングも人気で、ガイドツアーも数多く用意されている。

グローバル化が進むニセコで、国内外のハイカーに人気の山が「ニセコアンヌプリ」。東西25キロにわたって延びる11の連なった山で構成されるニセコ連峰。その東端にある最高峰がアンヌプリ。登山ルートはグラン・ヒラフ、五色温泉、アンヌプリスキー場の3コースがあるが、今回は標高差558mの五色温泉コースをチョイス。広い登山道が整備された1時間半ほどの登りで、これといった難所もないので初心者にもピッタリ。高山植物が豊富で、山頂からは正面に羊蹄山の美しい姿を心ゆくまで楽しむことができる。しかも下山後は温泉でゆったり。魅力たっぷりのコースなのだ!

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雨に打たれた葉が次々と鍵盤のように跳ね上がる

6月最後の日曜日。この日も朝から雨だった。南の空が明るくなり始めたので、ひょっとして雨が上がるか、と希望を抱き出発を遅らせる。薄紫の花が一面に咲いているジャガイモ畑、緑の細い葉が風に揺れるニンジン畑、乳牛がくつろぐ牧場などを撮影しながら国道276号線を進み、登山口に着いたのは11時になっていた。雨は小降りにはなったが、上がる様子はない……。レインウエアを着て登り始める。

最近のレインウエアは水を通さず、蒸れにくい防水透湿性素材を使ったものが主流。今回はレインウエアの下に着る長袖シャツも「体から発散する汗や水蒸気を瞬時に吸収し、生地の表面へと拡散させ素早く蒸散させる」という吸汗速乾タイプのものを着用してみた。往復3時間余りの行程での効果を試してみるいい機会でもある。

登り始めは階段状の道が続く。気温は15度をちょっと下回るぐらい。しばらく進むと右手に「頂上まであと2000m」の標識。はいはい、ゆっくり行きましょう。10分ほどで開けた場所に出るが眺望はイマイチ。根曲がり竹にはさまれた道を進む。黄色い花が目につく。オトギリソウだ。その後もいろんな高山植物が目に飛び込んでくる。そのたびにしゃがんで撮影しているので、遅々として進まない。後ろから来た2人連れに追い越される。雨に打たれた紫のエゾフウロがいじましい。ナナカマドも白い花をいっぱい咲かせている。そんな光景に和んでいるうち、木の枝から落ちる雨粒に当たった葉が、次から次へとピョンピョンとリズミカルに跳ねているシーンに遭遇した。自然の演奏みたいで楽しくなってくる。ショパンの「雨だれ」のようなスローで物悲しい感じではない。どちらかというとヴィヴァルディの「四季」のような軽やかさか。などと、勝手な妄想に浸りながら歩を進める。

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山頂も雨 避難小屋で即席のトムヤンクン雑炊でひと息

やがて道は岩石がごろごろした斜面に変わり、「頂上まであと500m」の標識が。下りてきた夫婦連れにあいさつ。

「山頂の景色はどうですか」

「ガスがかかっていて何も見えないですね。私たちが登って行くとき、下りてきた人は景色を楽しめたと言っていましたけど」

やはりか。眺望はあきらめるしかない。登りでは4組ほどのハイカーとすれ違ったが、いずれも中高年のご夫婦だった。花の豊富な山だけに、女性に人気なのだろう。

頂上が近付いてきたとき、前方から十数人の団体がやってきた。若い女性から中高年までの混合グループだ。雨脚が強くなってきたせいか、みな無口である。下を向いて黙々と歩いて通り過ぎていく。道のわきにエゾカンゾウが咲いていた。黄色いユリ科の花で存在感がある。本州ではニッコウキスゲと呼ばれ、霧ヶ峰の群生が有名だ。十数年前に来たときは一面に咲いていた。もう少し時季が後だったか。この花が一面に咲き誇ると本当に華やかだ。

登り始めて1時間40分。ピークに立つ。雨が強くなってきたので避難小屋を使わせてもらい、ランチの支度。汗はかいていない。途中、蒸れることもなかった。高機能ウエアは結構な値段だが、その効果は十分だった。この日のメニューは弁当とフリーズドライのトムヤンクンスープ。スープができたところで考えが変わった。ご飯と弁当に入れてきたボタンエビをスープに投入。ぐつぐつと煮込んでトムヤンクン雑炊にした。これが正解だった。暖まったうえに美味! すっかり元気を取り戻した。やはりガスバーナーとコッヘルは欠かせない。

雨のうえスタートが遅かったので、誰もやって来ない。静かな避難小屋に雨音が響く。さあ、帰り支度をしよう。下りたら五色温泉が待っている。

所要時間 3時間40分(休憩含む)

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【温泉】五色温泉 下山後の体を癒してくれる硫黄の露天温泉

登山口のすぐ近くに2カ所の温泉施設がある。今回訪れたのは「俗世界を離れた仙境の湯の里 五色温泉旅館」。入湯料700円を払って露天の「からまつの湯」に浸る。泉質は含硫黄―マグネシウム・ナトリウムー塩化物泉。硫黄が混じった湯は、日によって五色に見えることから「五色温泉」と言われるようになったとか。肌にやさしい湯にのんびりと浸かって疲れた体を癒す。五色温泉を含むニセコ温泉郷の温泉は、アンチエイジング・ミネラルのシリカの含有量が全国でもトップクラス。美肌や健康促進につながる「若返りの湯」との指摘もあるので、女性にはうれしい温泉だ。

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【ティータイム】開高健が絶賛した「クレイル」のカマンベール

数年前から気になるチーズ工房があった。北海道・共和町の「クレイル」という1975年創業の、個人では日本で初めてカマンベールをつくった工房だ。ニセコからクルマで小1時間の共和町にある。創業者の西村公祐氏はフランスで乳製品発酵技術を学び、国家資格を取得した。クレイルのナチュラルチーズは本場フランスの製法で造られている。あるとき、東京のデパートの物産展で購入して以来、そのおいしさにはまってしまった。

世界中の美食を食べ歩いたグルマン開高健も絶賛した。知人に贈られたカマンベールを食した作家は創業者にこんな手紙を送った。

「たまたま友人の一人にあなたのチーズをもらい、感嘆しました。みごとな出来です。ずいぶんいろいろな国でいろいろのチーズを食べてきましたが、これは抜群です」

工房は見学できなかったが、直営のティールーム「ケンブリッジ」に立ち寄り、紅茶と特製のチーズケーキのセットでくつろぐ。ステンドグラスが飾られた落ち着いた店内で、オーナー夫人と束の間のチーズ談義。やがて夫人の姉上も交え、泊原発や安保法案の話題に。平和と安全を願うおふたりの気持ちに打たれた。帰りにチーズのセットを土産に購入。再訪を誓って店を後にした。

問い合わせ ティールーム ケンブリッジ 岩内郡共和町老古美320-3
TEL:0135-62-2281
営業時間 10:00~17:00

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ANA 山ガールの北海道自慢2

山から下りた後のスイーツめぐりも楽しみですね

ANA新千歳空港株式会社 グランドサービス部 貨物郵便課
髙橋 博美さん

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山ガールの髙橋さん、実は「大の甘いもの好き」だという。酪農王国北海道のスイーツは実に多彩でどれもおいしいが、髙橋さんにお薦めのスイーツやお店を挙げてもらった。

「まずは、女性に人気のエリア富良野と美瑛から。富良野では『菓子工房フラノデリス』の「ふらの牛乳プリン」おいしいですよ。美瑛ではJAのアンテナショップ『美瑛選果』の小麦工房で販売している「びえいのラスク」がお薦めです。美瑛産の小麦粉を使ったラスクで一度食べたら病みつきになります。美瑛選果にはレストランもありアスパラガスを使った料理がおいしかったですね。ファーム富田に隣接する、『とみたメロンハウス』の「メロンソフト」もぜひ味わっていただきたい一品です」

羊蹄山に登った帰りに立ち寄る店で紹介してくれたのは、倶知安町にある『末武』。欧風菓子のショップで栗をまるごと1個パイ生地でくるんだ「パイマロン」は絶品だとか。ニセコでは牧場直営の『ニセコミルク工房』。アイスクリームづくりも体験できる。

「地元の千歳エリアでは、『パリ16e』の北サブレですね。北海道産発酵バターを使っているので深いコクと風味があり、歯ごたえも抜群です。『ちいさなめ』という本当に小さなパン屋さんがあるのですが、ここのパンはおいしくてお昼過ぎには売り切れてしまうこともあります。あと恵庭にある『カフェ福座』。自然豊かな環境にあるカフェで、ゆったりとしたランチを楽しむには最適です」

 

北海道に遊びに行ったら、ぜひとも立ち寄りたいお店ばかりだ。次回は登別温泉にほど近いオロフレ山。地元の人に人気の花の山です。さて、どんなドラマが待っているのでしょうか。

 

※一部写真は以前に撮影したものです。

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山田 稔

'60年生まれ。長野県出身。「日刊ゲンダイ」 編集部長、広告局次長を経て独立。編集工房レーヴ代表。経済、社会関連の記事を執筆中。趣味は山歩き、アジア・沖縄旅、男の気まま料理。著書に『酒と温泉を楽しむ!「B級」山歩き』(光文社・知恵の森文庫)。「分煙社会のススメ。」(光文社)
 

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