ルーツは姉妹作家の憧れ…『あさりちゃん』誕生秘話

投稿日: 2014年03月08日 07:00 JST

累計約2千800万部の漫画『あさりちゃん』が、2月28日発売のコミックス第100巻をもって、35年の歴史に幕を下ろした。作者の「室山まゆみ」さんは、室山眞弓さん・眞理子さんによる姉妹ユニット。

 

’78年に『小学2年生』で連載を開始以来、多いときで『小学2年生』~『小学6年生』から『ちゃお』など7誌に同時連載。増刊号など読み切りを含めると12誌に掲載されたというから驚きだ。

 

眞弓「『あさりちゃん』の前に、やっぱり小学生の女の子が主人公の『ハッピー・タンポポ』という作品を3年間ぐらい連載していたんですよ。これは学校や遊び場が主な舞台だったわね」

 

眞理子「でも、私たちに友達が少ないからネタに詰まりまして。その連載中に『小学2年生』から新連載の話をいただいて、今度は私たちと同じ姉妹ものにしよう! と、誕生したのが『あさりちゃん』なんです」

 

中学生のころから姉妹で漫画を描き始め、眞弓さん21歳、眞理子さん19歳でデビュー。あさりとタタミは2人がモデル?

 

眞弓「あれは、私たちが『なりたかった』子供なんです」

 

眞理子「家で本を読んだり絵を描いたりするおとなしい姉妹だったから、運動神経バツグンで、頭のいい子が憧れ。その願望を、あの2人に託したのよね」

 

眞弓「そう。それに私たち、親からは『いい子』だと言われていたんですが、それは親にとって都合のいい子だったというだけなんです。だから漫画の中では親にとって都合の悪い、子供らしい子供を描こうとも思っていました」

 

「親にとって都合のよくない」昭和の元気な子だったあさりとタタミの自由な姿は、同年代の子供たちから大ウケ! 自らの経験が、作中に生かされていることも。

 

眞弓「連載初期はあさりとタタミがグルグル巻きにされて吊るされる『おしおきシーン』が多いのですが、あれは私の実体験。眞理子にけがをさせて、激怒した母親に柱に縛りつけられたことが、ヒントになったんです」

 

眞理子「ギャグ漫画だけど、実はいろいろ描いているのよね。『のろいの花』(35巻)というお話は、『怖い!』と好評でした。実は私たち、デビュー前にホラー漫画を投稿して褒められたこともあるんです」

 

長い連載中でも描いたのは最初で最後という貴重な回がある。“唯一の泣ける話”『マイフレンドフォーエバー』(53巻)や、“増えた家族”『はじめましてうにょです』(40巻)。“唯一取材に出かけたナットウニマヨネ丼”『誕生日のごちそう』(49巻)がそれだ。

 

眞弓「読者からのお手紙で多かったのが、不登校の子供からの『友達はあさりちゃんだけです』というもの」

 

眞理子「『今日、学校で誰とも話さなかったけれど、家に帰ればあさりちゃんがいる。元気をもらって、明日も頑張って学校に行きます』って。これは本当にうれしかった」

 

眞弓「私たちも、連載開始当初はまだハタチそこそこの子供でしたが、やがて母親のような年齢になり、ハッと気づけば『もう、おばあちゃん!?』。これはもう、終わらないといけないでしょう」

 

眞理子「そうね。あさりは2人にとってのかわいい子供。これだけの蓄積があるんだから、次はもっと楽しいものを描かなきゃね!」

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