女性の心を持つ男性医 松田 豊 医師(54) Vol.5 千葉大学時代

投稿日: 2010年06月01日 00:00 JST

Vol.5 千葉大学時代

医者が自分の学生時代を振り返えると,「勉強は全然しなかった」とか「スポーツに打ち込んで授業にはほとんど出席しなかった」というようなことを書くことが多いです。最後に付け足しのように,「今では,学生時代にもっと勉強しておけばよかったと後悔している」みたいなことを書いてありますが,わたしはこんな怠慢を自慢するような文章は嫌いです。

わたしは千葉大の学生だった時,よく勉強しました。同級生100人のうち,勤勉さでは一二を争っていたはずです。もともと,勉強は好きだったのですが,もう一つ,はっきりした動機がありました。卒業後の研修はバスする,そのために,学部の6年間で学べる限りのことは学んでおこうという動機です。現在は卒業後の2年間の臨床研修は法的義務になってますが,わたしが卒業した頃は努力規定でした(する方が良いのであって,絶対しなければならないものではない)。

image臨床研修の環境は,大企業や官庁と同じく,世間一般の価値観,常識が幅を利かす世界です。そして,知的な意味でのマッテョ主義,男性至上主義が支配する世界です。肉体的な力を誇示することはないけど,男の価値観が優越する世界です。そういう環境の中で,女医さん(の卵)も「名誉男性」的な存在に染められていくし,男医(の卵)は
ますます男の枠にはめられていく。
もちろん,わたしは実際に臨床研修をしたわけではないから,これは推測ですが,たぶん当たっている推測です。そういう環境に身を置くのは,わたしにとって極めてストレスが多いはずでした。もちろん,わたしの成長,成熟にとって意義のあるストレスなら引き受けるけど,無意味なストレスに耐えるのは無駄なことだから,臨床研修はパスすることにしました。これは,入学して間もないころ既に決めていました。

幸い,わたしは外科には興味がなかった。外科だと,手の技能を高めるため,どうしても徒弟修行的な研修を経る必要があるでしょう。内科,精神科の領域なら,知識と判断力,そして患者との対応能力を可能な限り磨いておけば,臨床研修をパスすることは可能に思えました。それと,学部の5年生,6年生の時に行われるベッドサイド実習,これを臨床研修の代用とすることを考えていました。

ベッドサイド実習,医学部のスラングで「ポリクリ」(poly-clinicの略でしょう)と呼ばれます。呼吸器内科,神経内科,脳外科,整形外科,耳鼻科,皮膚科など各科を2カ月ずつくらいかけて回り,それぞれ担当患者を割り振られます。もちろん,実際に治療に当たることはないのですが(医師免許がないからそれはできません),発症当時や現在の状況について患者さんから話を聞き,検査データを読み込み,診断はもう付いているけど,今の状況がどうなっているか推測し,今後の治療をどうするか考える,そして,可能であれば患者さんを励まし,元気づける。これは,本気で取り組めば,臨床研修の代用になりそうでした。わたしは,このベッドサイド実習に後顧の憂いなくまじめに取り組もうと心に決めていました。「後顧の憂い」とは国家試験のことです。

医師国家試験は,医学部卒業時に行われます。先ほど引用した,「勉強は全然しなかった」とか「スポーツに打ち込んで授業にはほとんど出席しなかった」という言葉は全くのウソではありません。かなりの学生(大半の学生?)は4年生くらいまでのんびり過ごし,5年生くらいから真剣に国家試験の勉強を始めます。国家試験対策用の参考書や問題集を抱えてベッドサイド実習に入り,患者さんと真剣に向き合うより,問題集と向き合う時間の方が多いみたいな,無駄とも,もったいないとも言える愚行(わたしは敢えて愚行と呼びます)を演じます。

そうはならないよう,4年生を終える時点(ベッドサイド実習が始まる前の時点)で,国家試験のレベルはクリアしておくという目標を立てて,勉強したわけです。たまに(月2〜3回)千葉のライブハウスに踊りに行く以外は,そして2年生の夏から1年あまり月1〜2回女装クラブに行く以外の時間は,ほとんど勉強してました。過食嘔吐する時も,さすがに嘔吐する時は本は読めませんが,過食している時は,ただ食べるのではなく,本を読みながら,問題集を解きながら,食べてました。コンパと称する学生どうしの飲み会には6年間で1回だけ顔を出しました。もともと,群れをなして酔っ払うという行為が嫌いだったこともありますが。

4年生の冬頃,国家試験の模擬試験を受けて,合格レベルに達していることを確認しました。

自慢話に聞こえるかもしれませんね。実際,自慢話です。
わたしは,恥じることなく,誇りをもって,この自慢話をします。

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