小池百合子「五輪ボート会場を長沼に」窮余の一手

投稿日: 2016年10月28日 06:00 JST

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(若狭勝議員の応援に駆けつけた小池百合子と野田聖子)

 

 

「バッハ会長とは兄弟だ」

 

森喜朗東京五輪組織委員会会長(79)の言葉に、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(62)は「ミスター・ヨシロウは私の弟と呼んだほうがいいのかもしれない」と応じ、周囲を驚かせた。

 

そんな森氏との親密ぶりに比べ、バッハ氏の小池百合子東京都知事(64)への態度は「温度差」があった。18日の会談で、小池氏は五輪のボート・カヌーの競技場について、都内の「海の森水上競技場」から宮城県登米市の「長沼ボート場」に変更する案を説明した。

 

するとバッハ氏は、「ルールを変えないことが利益にかなう」と発言。小池氏にクギを刺したのだ。

 

さらにバッハ氏は、IOC、組織委、日本政府、東京都による4者協議の開催を提案。小池氏は受け入れざるをえなかった。都政に山積する問題に斬り込んできた小池氏だが、五輪会場をめぐっては四面楚歌の状態にある。

 

「これは、森氏の巧妙な根回しで決まった『小池包囲網』ですよ。『海の森案』にしたい組織委が、数の力で押し進めるための布石としたのです」(都庁幹部)

 

小池氏は21日の定例会見で、ボート・カヌー競技場の見直しについて「あんまり決め打ちするのはどうかと思う」とトーンダウン。このままでは、組織委が固執する「海の森案」に落ち着きそうな流れになってきた。

 

だが、小池氏が環境相を務めた時期に、環境省事務次官だった炭谷茂氏は異論を挟む。

 

「小池さんの言動を見ていると、当時と考え方や仕事の仕方がほとんど変わっていません。彼女は当時から『仕事でいちばん大切なのは、大義と共感だ』と言っていました。『復興五輪』という大義と、都民の支持という共感を武器に、『長沼案』を貫くでしょう」

 

では、どのように「長沼案」を通すのか。炭谷氏はこう語る。

 

「小池さんは、交渉術に長けています。環境相時代に、環境税の導入を要求しました。しかし党内からは相手にされず、業界団体に近い省庁は絶対反対の立場。それを、日本経団連にしぶとく掛け合い、現在の環境税の土台を作りました。あの交渉力が、今後の競技場の選定などにも発揮されるのでは」

 

さらにまさかの「窮余の一刺し」が、永田町でまことしやかに囁かれている。

 

「都議会解散をほのめかすという手だ。都議会は五輪施設整備費を承認する権限を持っているが、自民党都議団は『長浜案』に反対するはず。彼らを『抵抗勢力』と批判し、都民にリコール(地方議会の解散)を呼びかける。悪者扱いされた都議団は腰が引け、予算を『人質』に取られた組織委も小池氏に折れざるをえない」(自民党関係者)

 

流れを読む力は政界屈指の小池氏。少しくらいの逆流では、彼女の乗るボートは沈まない。

 

(週刊FLASH 2016年11月8日号)

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