伊豆大島取材記者が見た「島民たちの“過酷すぎる”現実」

投稿日: 2013年10月25日 07:00 JST

「あぁ、初美さんがいた……。こんな瓦礫の下で大変だったねぇ……」と数人の女性たちのすすり泣く声が聞こえる。10月17日に発見された市村初美さん(享年54)の遺体は、記者の目の前で瓦礫の中から掘り起こされた。

 

10月16日に猛威をふるった台風26号は、東京・伊豆大島を直撃。10年に一度という大規模台風の爪痕は大きく、21日現在で死者28人・18人が安否不明に。警視庁特殊救助隊や東京消防庁ハイパーレスキュー隊などが懸命の捜索を続けている。土石流発生から一夜明けた17日。本誌記者は現地へと渡り、救出活動に密着した。

 

伊豆大島のなかでも被害が大きかったのは元町神達地区だ。86年に三原山が噴火したあと、溶岩流跡を避けるように新しく作られた「御神火スカイライン」沿いの新興住宅地。全280戸のうち30の家族が住む住宅が全半壊し、残りも被害を受けたという。ある島民が語る。

 

「もともとこの辺りには誰も住んでいませんでした。でも噴火後『もっと安全に山を通れるように』とスカイラインが作られ、開発されていってね。平成になると谷沿いに60軒ほど分譲住宅が売り出されました。皮肉にも、その道を土石流が流れていったんです。『道路工事のために山の斜面を剥がしたことが雨に弱い地盤を造った』とみんな言っていますよ」

 

山道を登っていくと、潰された我が家を見にきたというお婆さんと女性に出くわした。ここに住んでいた両親は行方不明。女性は結婚を機に自宅を離れ、下の街に住んでいたという。オレンジ服を着た東京消防庁の職員が「危険なのでここにいて下さい!」と女性を制し傾いた家に入って行く。しばらくすると家族の私物を段ボールに入れ、戻ってきた。

 

「買えるものならなくなってもいい。大事なのは家族の写真や手紙など思い出の品です」と語るお婆さん。女性が段ボール内の私物を整理していると、ある物に手が止まる。

 

「ねえ、この手紙って何?」

すると、お婆さんは目を細めてこう答えた。

「あんたの両親のラブレターだよ……」

父から母に送った思い出の品に触れた女性は、嗚咽を漏らし始める。

「お父さんとお母さん、こんな物ずっと取ってあったんだ。あぁ……」

 

家族をバラバラにして去って行った大型台風26号。帰りを待つ人たちのためにも、一刻も早い全員の安否確認が望まれる。

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