鶴竜 大関昇進の原点はモンゴルから綴った「入門直訴の手紙」

投稿日: 2012年03月27日 00:00 JST

鶴竜 大関昇進の原点はモンゴルから綴った「入門直訴の手紙」

26日、横綱・白鵬との優勝決定戦に臨んだ関脇・鶴竜(26)。惜しくも初優勝とはならなかったが、審判部は鶴竜の大関昇進を審議する理事会の開催を北の湖理事長(元横綱)に要請し理事長も了承。大関への昇進が確実となった。


そんな彼を「まじめで、とにかく寡黙だからね」と温かい目で見守る一人の男性が名古屋にいる。私設の大相撲愛好会である日本相撲振興会の時田一弘会長(51)だ。時田氏は色あせた封筒と一通の手紙を手元に置き、こう語る。


「’01年5月、突然この封筒が届いたんだ。送り先を見るとモンゴルから。宛名には雑誌に載せていた会の広告を切り抜いて貼ってあった。封をあけると日本語でタイピングされた15歳のアナンド君という少年からの手紙だった」


アナンドとは鶴竜の本名。本人の写真が添えられ、なんとしても日本に行きたいというアピールがそこには綴られていた。モンゴル大学教授を父にもつインテリ一家の生まれ。4人家族の長男として温厚に育ち、勉強もできる優等生タイプ。そんな彼がモンゴルでの大相撲ブームに感化され、日本の大相撲に憧れをもつようになっていた。


「’00年に八角親方、花籠親方らがモンゴルで開いた選考会に参加するが、体格に恵まれず不合格となった。でも彼は諦めなかった。今度は父親の大学関係者で日本語ができる方に代筆を頼み、相撲協会やNHKや各新聞社と、手当たり次第に手紙をだしたそうですよ」


そのうちの一つが日本相撲振興会だった。時田氏は言葉も文化も違う遠いモンゴルから、どこの誰かもわからない日本人に手紙を送ってきた彼に興味がわき、知り合いを通して井筒部屋を紹介した。しかし、念願叶って来日した鶴竜と対面を果たした際、彼を見て時田氏は驚いた。身長と体重が手紙には書いてあったのだが、彼はサバを読んでいたのだ。


「細い子で相撲なんてできるのかと正直心配しました。入門後、体格がハンディとなり伸び悩んだ時期もあった。あるときアナンド君に『もう相撲やめたいでしょ』って聞いたことがあるんです。そしたら、普段は寡黙な彼が顔色を変えて怒った。『時田さん、なんでそんなこと言うんですか!自分は好きで入門したんでしょ』って。あれには驚いたな」


“諦めない男”鶴竜が目指すのは、もちろん横綱だ!


(週刊FLASH4月10日号)

 

 

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