第9回「鮮やか食材を太陽のスパイスでいただく8月。」~マダムミキのパリの食・デザイン365日

投稿日: 2016年08月02日 00:00 JST

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フランスは夏休み真っ盛り。祝日であるフランス革命記念日を境に、パリの人々もそれぞれにヴァカンスへと旅立ち、街は一気に閑散としてしまいます。年間に5週間の有給ヴァカンス(休暇)が保障されており、そのうちの2~3週間を夏にまとめて取るのが一般的で、お医者さんもパン屋さんも、それぞれのヴァカンスで1年の疲れを癒します。

 

わが家もこの時期、叔父・叔母がいる南仏でよく過ごします。日本人の私は「2週間もどうするの?」と最初は不安でいっぱいでしたが、フランス人たちはいったい、どのように長いヴァカンスを過ごしているのでしょうか。

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左:南仏・サントロペの街中。この小さな漁港の街にクルーザーで世界じゅうからセレブが集まる。
右:叔父と叔母の別荘では時間がとてもゆっくりと流れる。

 

南仏には〝南仏時間〟が流れています。何もかもが、とにかくゆっくり。太陽が昇り、ゆっくり起きたら、ゆっくり朝ごはん。ランチは14時ごろ始まり、終わるのは16時(!)。ランチ後はお昼寝をしたり、海に行ったり、プールで泳いだり……。太陽が沈み、やっとディナーが始まる21時(!)には、もう目は半分閉じかけています。

 

その食卓はというと、南仏はとても暑いので、冷たい料理が中心に並びます。ラタトゥイユ、生ハムメロン、モツァレラ、ラディッシュ、ガスパッチョ、パテなどなど。どれも切って並べるだけの、料理とはいえないようなメニューですが、南仏の太陽をあびて育った色鮮やかでおいしい旬の素材は、少し手を加えるだけで食卓の立派な主役になるのです。いろんなものをテラスのテーブルに並べ、好きなものを好きなリズムでいただきます。

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左:旬の夏野菜でつくるラタトゥイユは冷たく冷やして。
右:生ハムメロンは赤いこしょうを振りかけて少しスパイシーに。

 

ラタトゥイユは時間のある時につくり置きし、冷蔵庫で冷やしておくのがおすすめです。ポイントは「野菜は必ず1種類ずつ炒めること」。義姉から教わりました。なす、パプリカ、ズッキーニ、オニオン……旬の夏野菜を好きな大きさに切りそろえ、オリーブオイルで1種類ずつ炒めていきます。炒め終わったものからココットに入れていき、湯むきして種を取ったトマトをざく切りにして加え、好みでローリエなどのハーブも入れてコトコト煮込みます。野菜から水分がたくさん出るので、水は加えずに小一時間煮込んだら、塩・こしょうで味を調えて完成。アツアツもいいですが、冷蔵庫でひと晩ほど寝かせると、それぞれの野菜の味がなじんで一段とおいしくなります。

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左:桃とモツァレラのサラダ。
右:色鮮やかなラディッシュは食卓をパッと明るく飾ってくれる。

 

そして、デザートにはサントロペ近郊に欠かせないお菓子「Tarte Tropezienne タルト・トロペジエンヌ」を。このお菓子の名付け親は、日本でも有名な女優Brigitte Bardot(ブリジット・バルドー)。映画撮影でサントロペに滞在中、このお菓子をとても気に入ったバルドーが「タルト・トロペジエンヌ(サントロペのお菓子)」と呼び始め、それが定着したようです。のちにお店の名前も 「LA TARTE TROPEZIENNE」 に改名されました。

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左:サントロペのポンプロンヌビーチで食べるタルト・トロペジエンヌは最高。
右:こちらはパリでおしゃれに着飾ったタルト・トロペジエンヌ。人気パティスリーSebastian Godard(セバスチャン・ゴダール)にて。

 

タルト・トロペジエンヌは、オレンジフラワーで風味づけしたブリオッシュにたっぷりのカスタードクリームをはさんだだけのとてもシンプルなお菓子。最近では、パリのパティスリーでも見かけるようになってきました。パリで活躍する有名パティシエがつくるのですから、それは繊細でとってもおいしいのですが……ナイフとフォークで気取っていただくタルト・トロペジエンヌには、何か物足らないものがあるのです。夏のヴァカンスの象徴であるこのお菓子は、南仏の太陽の下で頬張って食べることこそが魅力なのでしょう。

 

ヴァカンスにとって、太陽は欠かせないスパイス。8月、夏真っ盛り。フランス人はそれぞれのヴァカンス地で、太陽スパイスを目いっぱい補給しているでしょう。

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マダム ミキ(モーリヤック・ミキ)

大阪からパリに移り住み14年。大学で美術史を専攻、パリのCHRISTIE’Sで勉強後、主婦になり、ママになり……今に至る。コーディネート、通訳など、気ままなフランス人を相手に奮闘しています。
 
Instagram:@madamemiki
 

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