2人の医師が語る理想的な“枯れ木”のような死に方とは

投稿日: 2014年07月26日 07:00 JST

「部品も壊れ、燃料も切れそうなボロボロの飛行機を無理やり飛ばすのは、とても正しいことだとは思えない。でも今はみんなそうだから……」

 

こう問いかけるのは、東京都世田谷区にある特別養護老人ホーム「芦花ホーム」に勤務する石飛幸三医師(78)。かつて切って切って切りまくっていた石飛医師が、介護の最前線で目にしたのは、強制的に栄養を与えられ、意思に反して生かされつづける高齢者の姿だった。結果、「なにもしない」医療にたどり着いた。その言葉に深く同意するのは、3月に慶應病院を定年退職し、「近藤誠がんクリニック・セカンドオピニオン外来」で第2の人生を始めた近藤誠医師(65)。元祖、「何もしない」元放射線科医だ。今回は、同じ慶応大学医学部卒の先輩・後輩対談をお届けする。

 

近藤「芦花ホームに行かれたのはおいくつのときですか」

 

石飛「ちょうど70歳のときですね。当時、このホームはしょっちゅう救急車が来る状態でした。もう体は受け付けないのに、1500キロカロリー食べなきゃいけないって、胃瘻をつけて無理やり食べさせるんだから、そりゃ“墜落する飛行機”は増えますよ。自然の摂理で人生の坂を下っているのに、本質を見てないんです」

 

近藤「昔はどこも似たようなものでした。いまのホームはどうですか?」

 

石飛「だいぶ変わってきました。最初に気づかせてくれたのが三宅島の人です。三宅島には年取って食べられなくなったら、枕元に水だけ置いておけば、静かに眠るように逝けるという言い伝えがあるんです。食べないから死ぬんじゃなくて、死ぬんだから食べないんだって。人間の知恵ですね。だから息子さんに、管をつけた母親を見るのは辛いと言われたんです。それで僕たちはとんでもない間違いをしていたと気づかされた」

 

近藤「三宅島の知恵と言われましたが、医療がこんなに発達するまでは日本全体にあった文化ですよね」

 

石飛「そういうことです。見ててわかりますからね。食いたくなくなるんだから、食べなきゃいい。よけいなことやらないでくれよって。胃瘻や点滴で栄養を補給すると、水ぶくれになって、亡くなってもぶよぶよしています。ところが胃瘻も点滴もしなかった人は、体によけいな水分が残ってないから、まるで枯れ木のように自然な姿のままなのです。当たり前のことがやっとわかってきた。このホームでの最期って自然なんです。だから救急車がこなくなった。実は私も、最初は老衰なんて書いていいのかと悩みましたが」

 

近藤「ガンで亡くなるのは、素晴らしいというとあれだけど、いろんな死に方があるなかで、わりと理想的な死に方だと思うんです。治療しない場合、体力がどんどん落ちていくのは最後の1、2カ月。でも、食べられなくなるのは最後の1週間くらいで、それまでは日常生活もできて、本当に最後にコトッて逝ける。闘病期間が短いし、みんなに悲しんでもらえるしね。介護期間が長いと、亡くなって赤飯炊かれたりしますから(笑)」

 

石飛「日本では8割の人が自宅で死にたいと願いながら病院でなくなります。必要のない延命治療をするんですね。うちのホームでは入居者の8割が病院ではなく施設でなくなっていますよ」

 

(週刊FLASH7月29日・8月5日号)

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