「屋久島にはなんでもある」住む“電力自給”ドイツ人の生活

投稿日: 2015年04月30日 10:00 JST

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原発事故後、自然エネルギーの必要性が叫ばれながらも導入が進まない日本。自然豊かな南の島にお手本がありました。新しい時代を開くヒントを、太陽光で電力自給生活を送る「オフグリッド女子」、自然療法士でセラピストのサトウチカさんがレポート!

 

太陽光と風力と水力の3つの方法で電力自給生活をされている方が、屋久島にいらっしゃるという噂を聞きつけて、実際にお会いしてきました。その名はライナー・カミンスキーさん(62)。

 

ドイツ人の養蜂家で、’86年に屋久島に移住。海と山に挟まれた尾之間という地域で、5千平方メートルの敷地を使って、仕事上のパートナーであるゴーシュ直子さんとオフグリッドな暮らしをしています。

 

まずは太陽光発電。お庭に200ワットの太陽光パネルが2枚設置されていました。ライナーさんはこのおうちを建てたときから電力自給生活を続けています。

 

「’96年にカリフォルニアで70ワットのパネルを10枚買ってきた。屋根の上にあったけど、風で飛ばされて落ちて壊れた(笑)」(ライナーさん)

 

さすが台風の多い屋久島!それ以来、お庭に置いているそうです。

 

「風力発電もしていた。風車も強い風で折れて壊れた(笑)。でも、屋久島の風の強さは、風車が壊れさえしなければ最高の発電方法だよ!」(ライナーさん)

 

そう無残にも壊れてしまった風車の羽根を持ちながら、自信満々に風力発電をすすめてくれました。つぎに、水力発電。近所を流れている二又川から直径5センチのパイプを600メートル引いて、家の裏の崖下30メートルの落差を利用して発電をしています。

 

「水車が水の力で回ると、コイルと磁石で発電する仕組み。1時間に240ワット発電するから、1日で4.8kWhも発電する」(ライナーさん)

 

わが家の1日の電力消費量はおよそ3kWhですので、これだけで十分足りてしまいます。水の生み出すエネルギーの強さには心底驚かされます!ライナーさんは、この水力発電を10年前から続けています。

 

これまでライナーさんは、トビウオ漁船に乗ったり、登山歩道の整備をしたり、屋久島に関するいろいろなことに自ら挑戦してきました。標高1千500メートル付近の避難小屋「新高塚小屋」のデッキや、標高1千600メートルにある日本最南端の高層湿原「花之江河」の木道を造ったそうです。そんなライナーさんのことを、ゴーシュさんは「屋久島一の怪力」とたとえます。

 

「ライナーは60キロもの木材をかついで毎日2〜3往復して木道を造ったのよ。わたしだと、片道だけでも3時間もかかるのに……」(ゴーシュさん)

 

屋久島への愛がないと、とてもできないことでしょう。ライナーさんは「日本の中で屋久島がいちばんよい。自然が豊か。屋久島にはなんでもある」と言います。

 

ライナーさんの現在の暮らしで電力を消費するものは、照明、パソコン、通信用のルーター、携帯電話の充電、洗濯機だけ。テレビも電子レンジもエアコンも持たないライナーさんが「なんでもある」と言い切る屋久島には、物質的なものではない真の豊かさがあるのかもしれません。

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