著名人が語る“私の70年談話”蛭子能収編

投稿日: 2015年08月15日 06:00 JST

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安倍首相の「戦後70年談話」が話題だが、国民一人一人に“私だけの70年談話”があるはず。そこで著名人に語ってもらった「この人生を歩んできた私だからおくるメッセージ」。

 

タレントとしても活躍中の漫画家・蛭子能収さん(67)。本誌連載「ゆるゆる人生相談」でも絶口調(?)の彼が語る、日本が進むべき道とは−−。

 

オレが生まれたのは、終戦から2年後のこと。育った長崎は原爆が落ちたので、亡くなったりけがをしたりした人はたくさんいましたが、実は、家でも学校でも、戦争の悲しい話や原爆の悲惨な話を聞いた記憶がないんですよね。それでも、小さいときから、戦争は嫌いでした。戦争というよりも、もしかしたら、死ぬことが怖かったのかもしれません。

 

中学時代にパシリみたいなことをやらされたり、いじめられたりしたときも、腹が立っていましたが、怒りを表情に出すことはしませんでした。もしオレが手を出せば、相手は殴ってくるかもしれません。ちょっとの憎しみでもたちまち大きくなります。その憎悪の連鎖が、しまいにはナイフで刺されることにつながるかもしれませんからね。

 

とにかく相手から嫌なことをされても、怒りの感情を出さない。暴力に頼らない別の対処法を考える。それが憎しみの連鎖を断ち切る唯一の方法。これは大人になった今でも変わりませんね。人に恨みを買わないように生きてきたのも、危険な場所に行かないことも、人とお金の貸し借りをしないことも、ちょっとした憎しみを避けるため。死なないように生きてきました。

 

オレは好戦的な発想は好きではありません。とくにここ最近、中国や韓国との関係がギクシャクしてからの、相手の攻撃的な言動により攻撃的な態度で返しているような人たちを見ていてそう思います。

 

たしかに領土や歴史的な事実は重要かもしれませんが、向こうが高圧的に来ても、受け流しておけばいいんですよ。その間に、歴史や法律を勉強したり、戦争をしなくてもすむ仕組みを調べたりしているほうがいいんです。

 

国同士だとちょっとした「憎しみ」が戦争につながるんですから、その連鎖を早い段階で断ち切ることが大切。それができるのは「弱さ」を武器にすることだと思うんです。でも、弱いことを武器にすることは、本当は強い者しかできないことですよね。

 

とにかく、自由に生きることが、いちばんオレが大切にしていること。その自由を奪う戦争は絶対にやってはいけないものだと思います。

 

とはいっても、今回の安保法制が成立しても、日本がすぐに戦争に参加することは、まずないと思っています。70年間平和だった日本を覆すことは簡単ではないと思うんですが……甘いですかね。

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