福島・見捨てられた甲状腺がん患者の怒り

投稿日: 2016年04月24日 06:00 JST

「息子の目の前でがん告知で、顔面蒼白に」

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(患者からの信頼が薄い県立医大だが、患者の検査データが集約されている)

この発表に先立ち、去る3月12日には、福島県の検査で、子どもが小児甲状腺がんと診断された5人の子供の家族が、「311甲状腺がん家族の会」(以下、家族の会)を発足。東京都内で記者会見を開いた。

冒頭の川向さんや、記者会見に出席していた患者の親の話を聞いていると、福島県から委託されて甲状腺がんの検査や治療、分析まで一手に引き受けている、福島県立医大の対応のマズさ、ずさんさが見えてきた。

 

「息子の目の前で、あなたはがんですよ、と伝えられたときはものすごくショックでした。息子は顔面蒼白になって、イスにも座っていられないような状態でしたから。私自身も、目の前が真っ暗になって……。気が遠くなりましたね。息子も、その後数日間は、かなりふさぎこんでいました」

 

記者会見でそう話していたのは、福島県中通り地方に住む、事故当時10代だった息子の父親。がんの告知も含め、医師からの説明は、わずか10分足らず。いまや常識となっているセカンドオピニオンの説明もなかったという。

 

「思春期の子どもに対して、あの告知の仕方はないんじゃないかな……」父親は記者会見で、そうもらした。

 

家族は福島から中継で、顔を隠しながらの会見だった。

実際に子どもが県立医大で治療を受けている手前、表立って批判しづらいという事情もある。

 

「子どもを人質にとられているようなものだ」と話してくれた患者の母親もいた。

 

今回、つらい心情を語ってくれた川向さんの場合も、告知のされ方はひどいものだった。

「私たちが診察室に入ると、先生は、しばらくパソコンの画面やエコー画像を眺めて『う―ん』とうなっていたんですが、いきなり「乳頭がんですね、手術しましょう」と言われました」

 

川向さんの次男、隆君も顔面蒼白になり、親子共々、なにも言葉を発せなかったという。通常は行われるエコー画像を見せての詳しい病状の説明もなく、次の検査の予約をとっておきます、と告げられ、10分ほどで終了。

「病院の廊下は、二次検査を受けるために来た子どもたちでいっぱいでした。告知がわずか10分で終わってしまうのも、人手が足りないからでしょう」(川向さん)

通常は、病院の対応が気に入らなければ、病院を変えればすむ。しかし、福島県内には甲状腺の専門医が少ないうえ、国や福島県は、原発事故による被ばくの影響を調べるために、すべての検査データを県立医大に集約しようとしているためマンパワーが不足している。さらに、県が実施している検査の枠組みから外れると、受診しづらいという事情があるのだ。実際に、患者が一般の病院を受診しようとしても、拒否されるケースがあった。

 

記者が取材した別の母親は、子どもが県で受けた甲状腺検査でB判定(二次検査が必要)の通知が送られてきたので、県立医大に「二次検査はいつ受けられますか?」と問い合わせたが、「いつできるかわからない」との回答を受けた。「早く二次検査を受けて安心したい」と思った母親は、県内の別の医療機関で検査の予約をとり、子どもを連れて行くことに。しかし、検査当日に病院に行くと、医師から、「うちでは診られません。県立医大に行ってください。これからずっと医大で診てもらうようになるんだから、個人の病院で検査することはできないんです」と言って帰されたという。

 

結局、県立医大で二次検査を受けられたのは、B判定の通知が送られてから約半年後。その間、母親も子どもも、「がんだったら、どうしよう」と、不安な日々を過ごした。結果は、がん。リンパ節にも転移が見られた。

「検査を待たされている間に、もっと進行していたら、と思うと、今考えてもおそろしい」と、母親は振り返る。

病院の対応が後手にまわり、患者がおきざりにされている現実があった。

ほかに母親が疑問に思うことは、なぜ、わが子が甲状腺がんになったのかということ。

「原発事故の影響で甲状腺がんになるかもしれないと言われ、実際に受けた検査でがんが見つかったんです。それが放射能のせいかどうか、知りたいのは当たり前です」と、前出の川向さんは言う。

 

しかし、いままで医師からきちんとした説明はない。それどころか、川向さんが主治医に「どうして、うちの子は甲状腺がんになったのでしょうか。やっぱり、放射能の影響なんでしょうか」と尋ねたら、主治医は、頭ごなしに、こう言った。

「そんなのは(がんは)前々からあったんだ!」

 

川向さんは、それ以上聞けなくなり、「そうですか……」と、うつむくしかなかった。

 

それ以来、次男の隆くんは、「がんになったのは、お母さんのせいだ。放射能の話はするな」と言うようになった。

夫からも、「騒いだって、切ってしまった息子の甲状腺は戻ってこねえ。放射能のせいでがんになったのなら、うちだけじゃなくて、ほかの子もなるはずだ。隆が、がんになったのは、体質だっぺ」と、諭された。川向さんは、「私のせいだ」と、自分を責めた。

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