雑誌創刊、農業で起業…日本を変える「ゆとり世代」学生

投稿日: 2013年05月25日 07:00 JST

『草食系』『ゆとり世代』『さとり世代』など、ここ数年、若者たちを形容する言葉は元気が感じられないものばかりだ。夢も、欲も、覇気もないと決めつけられがちな10代後半〜20代半ばだが、そんな、ゆとり、さとり世代のなかで、個性を貫き、思いのままに走りだした若者がいる。

 

「社会貢献をするような株式会社を立ち上げたいと19歳のときに思って。事業をやると考えたとき、長く続くものがいいと思ったんです。生活に密着するものがいいな、と。私は食べるのがすごく好きなので、農業に結びついた。農業人口の20代はほんのわずか。65歳以上が70%。もうすぐやめていく人たちばかりです。じゃあ、誰が作るの?食ってすごい大事やのに、誰も作らないってなったら、やばいん違うの?じゃ、私がやってみる!みたいな(笑)」

 

そう話すのは、弱冠20歳で株式会社『プリローダ』を立ち上げた大西千晶さん(23)。大阪府枚方市生まれの大西さんは、神戸大学に籍を置きつつ(現在は休学中)、’10年11月に会社を設立。広告代理事業、モデル事務所、ウェブ事業などで収入を確保しながら、有機農業を日本に根付かせるべく奔走している。

 

とはいえ彼女自身は農業経験がほとんどない。耕作放棄地などを中心に農地を探し、そこに大量の学生をイベント的に動員する。大規模な農業イベントで、農業の楽しさ、やりがいを積極的に伝え、若い農業従事者を増やしていく。さらには、有機農法で採算の合う方法を見つけ、有機農家を増やす。それが、大西さんが考えた農業を主軸とした、社会貢献につながる企業活動だった。現在は、老人ホームや大学の学食を展開する会社などに野菜や米を卸して、利益を上げつつある。

 

「フリーペーパーをやっているときに関わったクリエーターが『面白い雑誌がない』ってぼやいてて。僕も海外の雑誌をいろいろ読むようになったら、すごい面白いんですよ。逆に昔の日本の『ポパイ』とか『流行通信』『スタジオボイス』とかは、今、読んでもすごい面白い。そういう雑誌が今はないなぁ。だったら、自分が創ってやると(笑)」

 

こう語るのは、雑誌『Nmagazine』編集長・島崎賢史郎さん(21)。彼もまた、ゆとりもさとりも似合わない若者の一人だ。東京都羽村市生まれの島崎さんは明治大学4年生。昨年末、創刊したファッション誌『Nmagazine』がアマゾンの雑誌部門ランキングで1位を獲得。初版、増刷あわせて7千部を完売し「異例の大ヒット」と、出版業界では一躍、時の人となった。現在は2号目を製作中だ。

 

雑誌名の“N”は『日本』と、上下関係なしのフラットさを意味する『ニュートラル』、そして、『生意気』の“N”。怖い物知らずの生意気さは若者の特権だ。「いいものを作っただけではビジネスにつなげられないのが、クリエーションの現状。そこをどうすればいいか、知るためにも、会社に入って社会を学びたいと思っています」という島崎さんの目は未来を見据えていた。

 

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