『あまちゃん』音楽家・大友良英が語る故郷福島への思い

投稿日: 2013年09月06日 07:00 JST

思わず体が動いてしまう躍動感と、美しいメロディ ラインで心をわしづかみするNHK連続テレビ小説『あまちゃん』の音楽。今、日本中の朝を元気にしている曲は、骨太で優しすぎる音楽家・大友良英さん(54)が、傷つきながらも真摯に周りと向き合った結果、生まれたものだった。

 

10代を福島市で過ごした大友さん。その後、嫌いで飛び出し、30年以上忘れていた故郷を襲った震災と福島第一原発事故を前にして取った行動は、言葉にできない衝動だった。大友さんは、当時を振り返り「気づいたら体が動いていた。福島に入っていました」と語る。

 

‘11年3月11日。大友さんは都内のスタジオでドラマのサントラの録音をしていた。原発事故が報じられると、最初に案じたのは老齢の父母の安否だった。両親の無事が確認できた大友さんは、4月11日に福島入りを果たす。

 

「ほんと、もう、ありえないと思った。そんなに福島に愛情があったと思っていたわけではないですが、やっぱり育った場所だから。これがほかの場所だったら正直、(プロジェクトの立ち上げを)やんなかったと思う。福島はやっぱり……人ごとじゃなかった」

 

5月8日、大友さんは高校の先輩でもあるパンクミュージシャンの遠藤ミチロウさん(62)、福島在住の高校教師で詩人の和合亮一さん(45)らと『プロジェクトFUKUSHIMA!』を立ち上げ、「福島をポジティブに」と宣言。そして、8月に福島での野外イベントを企画する。

 

「当時から福島の人は我慢していた。我慢するのもいいとは思うけど、このままなら福島の人は自信喪失したまま。どうやったら自信を取り戻せるかといえば、自分たちで未来像を打ち出していくしかない。そうやって初めてポジティブに転換できるんだと」

 

こうして、8月のイベントへ向けた準備が進められ、当日は大友さんや坂本龍一さんらも加わったセッションも大成功。観客1万3,000人、USTREAMの視聴者は25万人にも及んだ。8月のイベントは毎年続いており、今年8月15日のイベント『納涼!盆踊り』には5,000人もの人たちが福島や県外から集まった。

 

『あまちゃん』の音楽の話が正式に届いたのは、震災2年目の8月のイベントを終えようというころだった。旧知の間柄で、演出担当の井上剛さん(44)は、大友さんを現地の岩手へと誘う。そこで目にした海の美しさに感動した大友さんの口から出た言葉は、「至近距離の海と、水平線の海の、2つ曲がいるね」だった。

 

取材旅行を終えて帰るとすぐ、大友さんは2つの曲のデモを井上さんに送ったという。その1つがあの『オープニングテーマ』で、もう1つが雄大な『海』という曲だった。大友さんは、『あまちゃん』の音楽にこんな思いを託そうとしていた。

 

「いろんな人の顔の見える音楽。フェスの1年目に経験したような、アンサンブルの楽しさ。誰かの指示で統率された音を出すのではなく、10人いたら、10人の音がちゃんとわかる。だから、生で一発で録音することにもこだわりました」

 

加えて、作り手を刺激する脚本と個性的な俳優陣の存在があったと、大友さんは話している。

 

「宮藤さんの脚本も、いっぱい人が出てきても、みんなキャラが立ってたり。そして能年さんのアキちゃん。オープニング映像に常に彼女の笑顔があるだけで安心です。無防備で、アキちゃんがニコッて笑うだけで、なんとかなるような気がする。あのコは奇跡だよね」

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