みずほ銀行 暴力団への貸し付け放置は“合併のひずみ”が原因か

投稿日: 2013年10月11日 07:00 JST

「みずほは本来、第一勧銀時代の総会屋への利益供与事件以来、反社会的勢力の排除にいちばん熱心であるはず。そのみずほでこんな事態が起こってしまうとは……旧3行の縄張り意識が関係した可能性はあります」と嘆くのは、経済評論家の山崎元氏だ。

 

9月27日、3メガバンクのひとつ、みずほ銀行が金融庁から業務改善命令を受けた。暴力団員らへの融資に気づきながら2年以上も放置。その額は2億円、230件に上るという。

 

みずほは富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の3行が’00年に合併してスタート。3行による対等合併は過去に例のないものだった。前出の山崎氏が解説する。

 

「三菱東京UFJのように三菱主導がハッキリしていたほうが組織として強い面がある。みずほでは3行のうちどこが主導権を握るわけでもなく、役職を3頭分するような人事をしている。旧3行ががっぷり組んで、それぞれのエリートが真剣に駆け引きしてるわけだから、ひとつに統合されるには、まだ時間がかかりますよ」

 

問題となった取引は、みずほ銀行が筆頭株主の信販会社オリエント・コーポレーション(オリコ)などを通じた自動車ローンなどの「提携ローン」だった。今回の舞台となったこの「提携ローン」では、まずオリコが顧客の審査をし、パスすれば、みずほ銀行が融資を実行する。だが、オリコとみずほがそれぞれ持つ「信用情報」の違いが、この問題を複雑化させた。

 

‘10年末、みずほ銀行がおこなった事後審査により「提携ローン」で融資をした顧客に暴力団員をはじめとする反社会的勢力の存在があることがわかった。だが、発覚した当時のコンプライアンス担当役員は、その顧客に対し、融資解消の手続きを取らなかった。さらに、コンプライアンス委員会(トップは頭取)に報告もしなかった。

 

当時のみずほ銀行の頭取は富士銀出身。オリコの社長は第一勧銀出身、コンプライアンス担当役員は第一勧銀出身の副頭取と、興銀出身の常務の2人。この“複雑な関係”が、暴力団員への融資という情報をストップさせた可能性はないのか。ほかのメガバンク行員が言う。

 

「密に連携していれば、細かいことまで報告し合う風土になっていたと思います。オリコは第一勧銀にとって城、縄張りだったのではないか。オリコに“鈴をつける”のは難しい、と旧他行出身者は考えたのではないか」

 

みずほ銀行は「旧3行による『牽制』が問題解決を遅らせたとの事実は一切ございません」と言う。今後の改善策について問うと、「提携先と協議しつつ、反社会的勢力との取引の防止・解消に向けたより一層の高度化に向けて、銀行の判断基準も踏まえつつ、迅速かつ適切に取り組んでおります」との回答だった。再発防止計画の提出期限は10月28日だ。

 

 

(週刊FLASH 10月22日号)

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