町田樹 五輪奮闘を支えた「亡き最愛の祖母」手作りのお守り

投稿日: 2014年02月20日 07:00 JST

「樹の日本代表ジャージのポケットには、いつも“おばあちゃん”の手作りお守りが入っているんです」と語るのは、町田樹(23)の実母・弥生さんだ。ショートプログラムでは11位と出遅れた町田。だがフリーでは渾身の“火の鳥”を舞い、メダルにあと一歩届かなかったものの5位入賞を果たした。その奮闘を支えたのは、亡き最愛の祖母だったという。弥生さんは、自らの母についてこう明かす。

 

「あの子がジュニア代表になったとき『ケガせず上手に滑れるように』と作ってくれたものです。代表ジャージは毎年変わりますが、樹はその度に新しいほうのポケットへ入れ替えてきました。あの子にとっては、それくらい大切な“宝物”なんです」

 

大のおばあちゃんっ子だったという町田。小学生時代に起きたアクシデントを支えたのも、ほかならぬ祖母だった。

 

「小5か6年のとき、樹が足を骨折してスケートを休んでいたのですが、母が『ウチに来なさい』と夏休みの間、預かってくれることになったんです。母の家は、広島ではなく鳥取。長期間ひとりですごすことは初めてでしたが、樹にとって楽しい経験になりました」

 

できる限り試合に駆けつけ応援していた祖母。だが、実はある病を患っていたという。そして町田が大学2年生のとき、息を引き取ったーー。

 

「余命が短いと知った樹は、時間が許す限り“おばあちゃん”のもとへ通うように。母も樹が帰ってくるのを楽しみにしていました。亡くなる日も『樹に食べさせたいから魚を買いに行く』と言っていたのですが体調が悪化して……。母は『樹にアジを、アジを……』と横たわりながら言っていました。最期は、樹も駆けつけて看取ってくれました」

そんな祖母が残したお守りをポケットに入れて臨んだソチ五輪で、町田は跳んだ。母・弥生さんはこう続ける。

 

「樹にとっての“おばあちゃん”は、いちばんの理解者でした。『おばあちゃんがいると楽な気持ちで滑れる』という気持ちだったようです。母は、結果がどうかよりあの子が元気いっぱいで滑る姿を見ることが嬉しかったみたいです。たとえあの子がどんな結果だったとしても『よく頑張ったね~!』といつも褒めていましたからね……」

 

「最後まで懸命に戦った」と語った町田。それは天国の祖母へ捧げる演技でもあったーー。

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