可愛がりすぎると嫉妬深い子に…「絆ホルモン」の意外な作用

投稿日: 2015年01月11日 09:00 JST

お正月休みは、家でゆっくり過ごしたという人も少なくないだろう。ふだんは忙しくてすれ違うことが多いぶん、休みの間に家族や夫婦の「絆」をあらためて意識した人もいるのでは?

 

そこで今回、順天堂大学教授の小林弘幸先生が、「絆ホルモン」と呼ばれるオキシトシンの意外な新発見について解説してくれた。

 

「オキシトシンは脳の下垂体から血中に分泌されるホルモンで、もともとは陣痛を促進し、母乳を出すという働きが知られていました。そのため、母親特有のホルモンと思われていましたが、今では男性や出産経験のない女性も、スキンシップによってオキシトシンを分泌し、それが心身によい働きをもたらすことがわかっています」

 

具体的には、どんなよい働きをもたらすのか。

 

「オキシトシンが分泌されると、母性愛や社交性など、他者とのつながりを求める気持ちが高まるほか、血流内では血圧やストレスホルモンの血中濃度を下げることで、ストレスを軽減。たくさんかわいがられた子供は、大人になってからもストレスに強いというのも、このオキシトシンがたっぷり分泌されているおかげです」

 

そのため、近年では「幸福ホルモン」や「絆ホルモン」として脚光を浴びている。そんな「生きるうえでの万能薬」のようなオキシトシンに、意外なデメリットが発覚したという。

 

「2013年、アメリカのノースウェスタン大学が『nature neuroscience』に発表したところによると、オキシトシンには、トラウマを増強させる働きがあるというのです」

 

マウスを使った実験によると、オキシトシン受容体のあるマウスはそうでないマウスに比べ、過去の嫌な出来事に対する記憶が強化。さらに「またそれが起こるのでは」という不安や恐怖も高まっており、おびえやすくなっていたというのだ。

 

「さらに、イスラエルのハイファ大学は、2011年に同大学のサイト上に「オキシトシンは、嫉妬心や他人の不幸を喜ぶこととも関連している」という研究結果を発表。56人の被験者を対象におこなった実験で、明らかになったということです。つまり、オキシトシンの分泌が活発だと、絆を結ぶ力が強くなったりストレスを軽減するいっぽうで、嫉妬深くなったり、嫌な記憶にとらわれやすくなるかもしれないということ」

 

一見、矛盾しているようだが、愛情深い人には嫉妬深い一面が隠されているというのもよくある話。

 

「子育てにおいても、オキシトシンを分泌させるべくお子さんをかわいがることは非常に重要ですが、程度が過ぎると、臆病で嫉妬深くなってしまう可能性も!?愛するご主人やかわいいお子さん、お孫さんと過ごすときは、スキンシップは大事にしつつも『ベタベタしすぎない』というバランス感覚が、必要なようです」

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