イノシシの出没相次ぎ、県内自治体が対応苦慮

投稿日: 2017年01月17日 13:00 JST

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(写真提供:大磯町/神奈川新聞社)

 

湘南・西湘エリアをはじめ、県内各地でイノシシの出没が相次いでいる。丘陵地が広がる大磯町では、すでに昨年度の2倍を超す163頭が殺処分され、小田原市や足柄下地域でも増加傾向だ。人的被害は報告されていないものの、出没エリアは児童らの通学路にまで及んでいる。水田や畑が荒らされる被害も後を絶たず、自治体は対応に追われている。

 

「里山の実りが豊かで、イノシシが順調に育ってしまったのか…」。年度末まで約3カ月を残す時点で、昨年度(70頭)の2倍を超すイノシシが殺処分された大磯町。担当者はその要因をこう分析し、表情を曇らせる。

 

頭数の増加に伴う農作物の被害も深刻さを増す。2014年度は1・26ヘクタールの耕作地で被害総額は106万円だったのに対し、15年度は1・49ヘクタール、150万円に拡大。町は町内28カ所に捕獲わなを設置し、昨年12月には猟友会に依頼する捕獲手数料100万円を補正予算に計上した。

 

こうした状況は、西湘地域も同様だ。真鶴町の本年度の捕獲頭数は21頭(1月10日現在)と昨年度の10頭から倍増し、集計を取り始めた13年度以降の最多を記録。箱根町も昨年12月末現在で51頭捕獲しており、同期比で近年最も多かった昨年度(90頭)に迫る勢いだ。

 

小田原市の捕獲頭数も13年度63頭、14年度98頭、15年度143頭と増加傾向にある。本年度は集計途中ではあるものの、担当者は「個体数の増加により捕獲頭数は増えている」とみる。今月8日には市街地の小田原城址公園(同市城内)にも1頭が出没。近年の農作物被害は、届け出があるだけで1千万円以上に上るとされる。

 

いずれの自治体も被害への危機感を示し、「早急な対策が必要」との認識で一致しており、わなを増設するなどして対応している。ただ有効な打開策は見いだせておらず、「捕獲を継続的に続けていくしかない」(真鶴町)のが実情だ。

 

環境省の鳥獣関係統計などによると、県内でここ10年間の有害鳥獣としての捕獲数は400~1,150頭程度で推移しており、農作物の食い荒らしなど「被害状況は深刻」(県自然環境保全課)という。同課は対策について、「捕獲と防護、近づきにくい環境整備をバランス良く組み合わせて取り組んでいくことが大切」としている。

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