誰にでも優しい観光地へ LGBT支援、県内企業で広がり

投稿日: 2016年08月31日 15:00 JST

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「レインボー宣言」を掲げるホテルパームロイヤルNAHAの高倉直久総支配人=16日、那覇市
(写真・琉球新報社)

性的少数者(LGBT)への社会的関心が高まる中、宿泊施設がLGBT向けのリゾートウエディングや宿泊プランを商品化するなど、県内企業でもLGBTを支援する動きが広まっている。日本トランスオーシャン航空(JTA)を含めたJALグループは今年から、家族間で共有できるマイレージプログラムの対象に同性カップルを新たに加えた。外国人や障がい者など誰にでも優しい「ユニバーサル」な観光地を目指す方向性とともに「LGBTは見逃せない市場だ」という企業の認識変化もある。

 

電通ダイバーシティ・ラボ(東京)が実施した「LGBT調査2015」は、日本国内でLGBT層に該当する人口は7・6%を占め、商品・サービス市場規模は約6兆円となるという試算を示した。

 

■6兆円市場

2013年に、性の多様性を尊重する「レインボー宣言」を掲げたホテルパームロイヤルNAHA(那覇市)。高倉直久総支配人は「米国のマーケティング会社によると、性的マイノリティーの旅行消費は異性愛者の1・6倍となる。医者や会社経営者など社会的地位が高く高収入の人が多く、LGBTにフレンドリーな場所をよく利用する傾向も見られる」と述べる。

 

LGBT旅行者の需要を取り込もうと、JALとJTAは今年1月からパートナー同士のマイルを共有できるサービスをスタートした。

 

同企画を提案したJAL沖縄支店の渡部勝磨支店長は「LGBT先進国とされる欧米が認めるリゾート地は息が長い。その意味で欧米人を沖縄に呼び込むためには、沖縄がLGBTを含めた多様性を受容できるリゾート地にしなければならない」とキャンペーンに取り組む背景を説明する。

 

渡部支店長は「LGBTということを公表した人は能力を大いに発揮する。今後、社内でカミングアウトしやすい環境を整えていきたい」とも述べ、ダイバーシティー経営が自社にもたらす生産性向上の効果にも期待する。

 

■先進地へ

一方で「LGBTに対する社会の認識が十分に浸透せず、偏見が生じる事例もたびたびある」(観光関係者)との声も根強く、LGBT対応に後ろ向きな企業がまだ多い実態がある。

 

県内ホテル関係者によると、ある男女のカップルが、LGBTが利用したチャペルでの挙式を拒否する事例もあった。また、LGBTのホテル利用やチャペル挙式を平日に限定したり、会場の貸し切りを条件にしたりするなど、他のホテル利用者にLGBTの利用を知られないようにするため、異性同士のカップルと違う対応を取るブライダル業者も一部あるという。

 

琉球大学観光産業科学部の下地芳郎教授は「沖縄は誰にでも優しい観光地を掲げてきたが、これまで主にバリアフリーに力を入れてきた。今後、性的マイノリティーなどに対しても受け入れをきちんとできるのは先進的な観光地として評価される」と指摘する。(呉俐君)

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