あこがれの女性像追求 画家・山城えりかさん 装画で光る世界観

投稿日: 2016年09月08日 13:00 JST

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(左)これまでに山城さんが装画を手掛けた書籍 (右)山城えりかさん
(写真・琉球新報社)

若い女性をモチーフにした独自の世界観を追求している那覇市出身の画家、山城えりかさん(36)が、書籍のカバーを描く装画で存在感を放っている。1日から朝日新聞でスタートした芥川賞作家の金原ひとみさんによる連載小説の挿絵も担当し、活躍の場を広げる。

 

「小さい子がお姫様を描くじゃないですか。あの延長なんです」。憧れの女性像を描き続け、今の作風につながっているという。透明感あふれるパステル調の色合いは「食欲をそぐ色は使わない」という独特なルールから生まれる。甘いメルヘンな雰囲気が漂う中に、現代的なスタイリッシュさも織り交ぜる。

 

装画を初めて描いたのは2008年、渡辺やよいさんの「ピーター・ノースの祝福」(幻冬舎)。以来、直木賞作家の辻村深月さん、芥川賞作家の津村記久子さんや金原ひとみさんらの本を手掛けてきた。心に留めるのは「あれ?と思わせる違和感や異質感」だ。表から背、裏表紙までをどう絵でつなげるか、帯で隠れる部分にどんな仕掛けを施すか、他にはない工夫を考えている。

 

3年前、東京から夫とともに糸満市へ移り住んだ。東日本大震災をきっかけに、安心して子育てのできる環境を求めたのが理由だ。昨年には長女が生まれた。「新しい引き出しが増えた感じがする」と語り、これまで描いてこなかった幼児や、絵本にも意欲を示す。

 

1日に始まった新聞の連載は年末まで続き、計120枚の絵を描く予定だ。初めて取り組む挿絵に、あえてモノクロで挑む。「装画も挿絵も、『制限された世界』でどれだけオリジナリティーを出せるか」。文章に沿った説明的な表現ではなく、読み手に想像力の余地を与え、遊び心も忘れない。作者の紡いだ文にどんな効果を足すか。「金原さんと交換日記をしているような不思議な感覚で描いている」と笑い、自らの可能性が開けるのを楽しんでいるようだ。(大城周子)

 

(2016年9月7日 琉球新報掲載)

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