終戦知らず木の上生活 伊江島の実話、東京で再演

投稿日: 2016年09月14日 11:00 JST

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舞台「木の上の軍隊」の再演報告をする劇団「こまつ座」の井上麻矢社長(右端)と主演俳優の松下洸平さん(右から2人目)=1日、伊江村役場
(写真・琉球新報社)

【伊江】71年前の太平洋戦争で母国の終戦を知らずに、伊江村西江前にあるガズィマールの木の上で約2年間の樹上生活を続け生き抜いた故佐次田秀順氏(現うるま市出身、当時28歳)と故山口静雄氏(宮崎県出身、当時36歳)の実話に基づいた舞台「木の上の軍隊」が、11月10日から27日まで東京の紀伊国屋サザンシアターで3年ぶりに再演される。

 

1日、舞台を主宰する劇団「こまつ座」(東京)の井上麻矢社長と主演俳優で佐次田さん役を演じる松下洸平さん(29)が伊江村役場の島袋秀幸村長を訪ね、上演を報告した。

 

原案は作家・劇作家で、こまつ座を立ち上げた故井上ひさし氏。20年以上構想し続けた思いを残し、2010年に他界した。その思いを引き継いだのが三女の麻矢社長だ。13年、蓬莱竜太さん作、栗山民也さん演出で初上演された。

 

今回の再演に当たり、麻矢社長は「演劇は記憶を呼び起こして再現することができる。『過去からしか人は学べない』という父の言葉に添い、演劇を通してこの国が抱えている過去の重さを伝えていきたい」と話した。

 

佐次田さんが樹上生活を送ったニーバンガズィマールの木に登った俳優の松下さんは「木が語り掛けてくれた。語り部にはなれないが、演じることで佐次田さんの思いを語り継ぐことができる。希望が湧いてきた」と思いを募らせた。

 

同日、佐次田さんの長男の勉さん(76)や住民で木周辺を維持している宮城家の良文さん(80)と孝雄さん(67)兄弟も同行し、戦前戦後の伊江島の様子などを伝えた。

 

舞台には県出身の歌手、普天間かおりさんがガズィマールにすみつく精霊役で出演。命を語り継ぐ物語に琉歌を乗せて沖縄の人の心も伝える。

(中川廣江通信員)

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