京大に琉球人骨26体…昭和初期から未返還ー学者収集

投稿日: 2017年02月16日 12:00 JST

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人類学者に骨が持ち出された百按司墓=今帰仁村運天
(写真・琉球新報社)

 

昭和初期に人類学の研究者らが今帰仁村運天の百按司(むむじゃな)墓から持ち出した人骨が少なくとも26体、京都大学(京都市)に75年間以上、保管されていたことが分かった。研究目的で持ち出され、現在も返還されていない。同様に研究目的で北海道大学に保管されていたアイヌ民族の遺骨が昨年、遺族らに返還されたことから、一部の研究者らは「琉球人の遺骨も沖縄に返還すべきだ」と訴えている。先住民族が遺骨の返還を求める権利は、国連が2007年に採択した先住民族の権利宣言で認められている。

 

今帰仁村教育委員会が04年の調査で確認した。琉球新報は京都大学に対し「琉球人の骨を現在も保管しているか」「当時の発掘調査は適切だったと考えているか」などを質問したが、同大学は「本件について個別の問い合わせには応じかねる」としている。

 

今帰仁村教委の調査によると、台湾の国立台湾大学(台北市)にも百按司墓から持ち出された人骨33体が保管されている。台湾大学は15日現在、人骨の有無について回答していない。

 

百按司墓から人骨を持ち出したのは、人類学者で京都帝国大学助教授だった金関丈夫(かなせきたけお)氏(1897~1983年)。28~29年に県内各地で行った発掘調査で複数の人骨を持ち出したことを、著書『琉球民俗誌』(78年)に書いている。沖縄の研究者らも関与したとの記述がある。金関氏はそれらを人骨標本として京都帝大(京都大)に寄贈し、一部は転勤先の台北帝大(台湾大学)に持ち出したとされている。

 

百按司墓は今帰仁村指定有形文化財で、同村運天集落の北側、がけの中腹にある。『中山世譜』(1697年)には、貴族の墓だったことが記されている。村教委によると、近くにある大北(うーにし)墓を含めて「山北地域の歴代王墓か監守一族の墓所」と考えられている。

 

金関氏らが収集した人骨を基に金関氏やその師である清野謙次(きよのけんじ)氏、弟子の許鴻梁(きょこうりょう)氏(ともに人類学者)らが論文などを発表した。その後も人骨は返されず、少なくとも2004年まで京都大学に保管されていた。

 

アイヌ民族の遺骨は、1930年代から人類学者らによって北海道各地の墓地などから掘り出され、全国11大学に1600体以上が保管されている。北海道旧土人保護法の廃止とアイヌの自己決定権回復を求める運動の延長で、遺骨返還を求める動きが活発化した。2012年に遺族らが遺骨返還を要求し北海道大学を提訴した。昨年3月に和解が成立し、同7月に12体が遺族らに返還された。

 

(宮城隆尋)

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