「立ち返れる場つくりたい」沖縄少年院の元法務教官が“卒業生”と支援団体設立

投稿日: 2017年05月30日 11:00 JST

image

沖縄少年院の“熱血法務教官”として少年たちに向き合ってきた武藤杜夫さん(39)=那覇市在、東京都出身=が3月末、法務省を退職し、沖縄少年院の卒業生2人と新たな挑戦を始めている。少年院を出院した少年や居場所がない子、エネルギーを「非行」で発散するしか方法を知らない子たちを受け止め、サポートするための任意団体「日本こどもみらい支援機構」を4月に設立。6月には3人で京都、大阪、兵庫での講演会を予定している。

 

自らも思春期に教師や大人に反抗し続け、不良行為を繰り返した武藤さん。中学時代から教室になじめず全国放浪を続け、19歳でたどり着いた沖縄で一念発起し猛勉強の末、国家公務員試験に合格。2001年に矯正職員として東京で採用され、04年に沖縄へ“帰郷”転勤してきた。

 

在職中から「少年院を日本一の学校にする」と少年院の存在意義を発信してきた武藤さんが退職したのは、成人対象の刑事施設に幹部として異動する内示が出たからだ。2年前、登山中に滑落事故に遭って九死に一生を得た際「残りの人生は、現場で子どもたちのために使うと決めたんです」と笑う。

 

「生徒たちに『挑戦しよう』と伝え続けてきた僕には挑戦する責任がある。辞職も生徒たちへの教育でした」

 

職を辞した直後、武藤さんは真っ先に連絡をくれた教え子の宮平魁樹さん(24)と原琢哉さん(24)と再会した。少年院の規定で法務教官は卒業生と個人的に交流することが禁じられているため、約5年ぶりの再会だった。

 

「3人で面白いことをしないか。少年院が駄目人間の集まりじゃないって証明しようぜ」。以前と変わらず、熱っぽく語る武藤さんに、曲折を経て今はバーの経営者となった宮平さんと、塗装業を営み7人の従業員を抱える原さんは「やります」と即答した。

 

宮平さんは「武藤先生ほど本気で向き合ってくれる人はいなかった。昔の僕みたいにやんちゃしている人に何か伝えることができれば」と願う。原さんは「自分の経験を話すことで、誰かが頑張れるきっかけになれば。死んだら取り返しがつかない。命の大切さを伝えたい」と語った。

 

具体的な活動内容は今後、3人で話し合って決めていくという。「僕にとっては何をやるかより誰とやるかが重要。彼らと一緒に、少年院の卒業生はもちろん、沖縄の子どもたちが悩んだときに立ち返れる場所をつくりたい」と武藤さん。「今後は外から少年院を日本一の学校にする。社会で輝ける卒業生を育てていくことだと思う」と力を込めた。(佐藤ひろこ)

【関連記事】

「立ち上がれ、少年院の『卒業生』たち」スーパー公務員・武藤杜夫は、なぜ沖縄少年院を去ったのか? 教え子たちと始める新たな挑戦

「少年院を日本一の学校にする」 武藤杜夫(1)
「少年院を日本一の学校にする」 武藤杜夫(2)

この記事を書いた人

記事一覧

この記事を書いた人

配信社:琉球新報社

「沖縄の今」をお伝えする地元紙・琉球新報です。政治、経済、スポーツなど最新ニュースから、ディープな地域ネタまで、沖縄を知りたいあなたへ幅広い情報をお届けします。 
http://ryukyushimpo.jp/

この記事が気に入ったら
いいね!/ フォロ− しよう

WEB女性自身の最新の情報をお届けします。

あなたにオススメ

【注目アイテム】
「メスを使わない美容整形」コルギのパワーを自宅で!!
ジェニファー・ロペス、カイリー・ミノーグが「約20歳年下彼氏」を手に入れたワケ!
45歳、奇跡の美乳・原志保さんのボディを作るヒミツのグッズ公開!!
着るだけで、エステの効果がインナーに!!
可愛い47歳! 元CA佐藤亮子さんの大人気トラベルブランド

コラム・連載

もっと見る

女性自身チャンネル

もっと見る

スヒョン入隊前の心境を吐露!U-KISSみんなで乗り越える新曲2017.10.17

U-KISSが14枚目のシングル『FLY』をリリース! 4月にケビンが卒業して以降、5人体制で挑むはじめてのシングルは苦しいことを乗り越えて前に進もうというメッセージが込められている。楽曲、そしてリ...


ランキング