なぜ神戸? 沖縄フェス「琉球祭」が15年も続く理由

投稿日: 2017年10月24日 15:00 JST

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阪神淡路大震災で大きな被害を受けながら、今や美しい街並みが広がる神戸・新長田―。

下町情緒と温かい人情が残るこの地で〝ウチナー(沖縄)文化〟が愛され続けているのをご存じですか?

 

巨大な鉄人28号モニュメントがそびえ立つ「若松公園 鉄人広場」で10月8日、沖縄の音楽や食の魅力をぎゅっと詰め込んだイベント「琉球祭」が開かれました。エイサーや道ジュネーなど本場さながらの「沖縄熱」に包まれる年に一度の一大イベントです。会場には大勢の沖縄ファンが訪れ、大盛り上がりの1日となりました。

 

15回を数える「琉球祭」を楽しみながら、沖縄と神戸のつながりを見つめ直してみました。

 

◇ソーキそば、ラフテー、オリオンビールも!神戸で味わう沖縄の〝おいしい〟

 

ご当地イベントに欠かせないものといえば、やっぱり食。今回の琉球祭には、神戸市内に出店する沖縄料理店2店舗が出店しました。

 

現在、神戸・三宮に店を構える沖縄料理店「和琉酒菜 空」は移転前までイベントが開かれている公園の近くで営業していたことでも知られ、移転から4年半が経つ今も新長田エリアのファンが多いことで知られています。

 

昨年よりも品数を増やし、「ジーマミー豆腐」(300円)、「ソーキそば」(500円)、「ラフテー」(400円)といった沖縄ならではの料理を屋外で食べやすいようパック詰めするなどして提供。フードメニューはすべて完売する盛況ぶりで、小さい子どもから高齢者までが沖縄の食を楽しみました。

 

「神戸ワイン」の屋台も人気を集め、来場者はそれぞれ「沖縄×神戸」の食の融合を楽しんでいました。

 

◇沖縄音楽に広がる笑顔 観客をつなぐステージ

 

沖縄民謡やライブも人気です。

 

エイサーの演舞で幕を開けたステージイベントには、10組のアーティストが出演しました。

 

ステージを彩ったのは「Ohana」「山城麻梨愛」「てぃびち」「稲嶺盛玄」「欣之介」「玉城流玉扇会・前田雅子琉舞道場」「てぃんじゃーら」「與那嶺商会」「伊波幸乃」「知名定人」の皆さん。

 

日中の暑い屋外でのライブだということを忘れさせるくらい、歌や演舞で来場客を魅了してくれました。

 

独特の沖縄音階やメロディーラインは、有名アーティストの曲などですっかり耳に馴染んでいますが、問題は「沖縄口(ウチナーグチ)」の歌詞!

 

神戸市民の筆者には「英語の歌詞?」と思ってしまうほど聞き取れません。なのに、なぜか一緒に口ずさんでしまうんです。

 

曲によっては観客がその場に立ち上がって踊りだす場面も。一人が立ち上がると周りも一緒に踊り始め、笑顔の波紋が大きく広がり、来場客同士の垣根がどんどんなくなるようでした。

 

意味が分からなくても一緒に歌いたくなってしまう、踊り出してしまう-。沖縄の音楽には、人と人をつなぐ不思議な魅力が詰まっているのだと感じました。

 

◇エイサーパレード 道ジュネー

 

イベントの熱気は会場の若松公園の中だけにはとどまりません。

 

エイサーの演舞を披露しながら練り歩く「道ジュネー」も大盛り上がり。

 

舞踊グループ「琉鼓(りゅうこ)会」が繰り広げた「エイサーパレード道ジュネー」は公園近くの商店街をスタート。1時間半以上も商店街を練り歩き、会場に着くころにはファンがぞろぞろと後を続いていました。

 

近くに住む住民の多くが毎年この日を楽しみにしているようで、パレードが始まるとどこからともなく人が集まってきます。商店街に鳴り響く歌三線や太鼓、そして迫力ある演舞の繰り広げられる光景は、商店街がまるでコンサート会場になってしまったよう。

 

近隣にある病院のベランダからも入院患者やその家族、医師や看護師がパレードを見物する姿も見られました。

 

神戸の下町商店街に沖縄のエイサーという一見ミスマッチなパレードでしたが、多くの人が沖縄の文化を心から楽しんでいるようで、演舞が終わると同時に大きな歓声があがり拍手が贈られました。

 

新長田エリアの保育園や幼稚園、小学校では、運動会の出し物としてエイサーを取り入れるところもあり、小さな子どもたちが見よう見まねで楽しそうにエイサーを披露し、その愛くるしい姿で会場を盛り上げていました。

 

大人も子どもも「楽しいねんから踊らな損!」とでもいうように、気づけばパレードの中心が分からなくなるほど、大人数がエイサーを踊り楽しんでいました。

 

◇沖縄と神戸・新長田の深いつながり

 

15年も続く沖縄イベント「琉球祭」が、なぜ神戸で開かれているのでしょうか?

 

その理由は幾つか考えられます。

 

「戦場の県知事」として知られる島田叡(あきら)元沖縄県知事は、兵庫県神戸市の生まれでした。

 

1972(昭和47)年、沖縄本土復帰の年に沖縄県と兵庫県は「友愛提携に関する協定書」を締結し、それ以降も兵庫県が主宰する「友愛キャンプ」に多くの若者が参加するなど交流を深めてきました。

 

沖縄と神戸をつなぐフェリーの直行便や飛行機があることも理由の一つかもしれません。交通の便がよく、比較的行き来しやすかった沖縄と神戸。中でも新長田エリアには今も沖縄出身者が多く住んでおり、琉球祭にも多数のウチナーンチュたち参加しているそうです。

 

そんな理由から、神戸・新長田の地に沖縄文化が根付き、「琉球祭」の開催へとつながったのではないでしょうか。

 

会場内ではウチナーグチが飛び交い、「久しぶり」「今年も元気に会えてうれしい」と握手や抱き合う光景が数多く見受けられました。年に一度の「琉球祭」が沖縄出身の皆さんの再会の場にもなっているようでした。

 

◇沖縄の魅力を伝えるイベント

 

沖縄の文化は今や、神戸だけでなく日本全国から注目されています。三線教室や沖縄料理店も多く存在し、スーパーには「サーターアンダギーの粉」や「タコライスの素」まで並んでいることもあります。十数年前までは知りえなかった沖縄の文化が、プロモーションの成功や物流の発達により、沖縄県外に住む私たちの日常生活にも溶け込んでいます。

 

そして沖縄は、国内はもちろん海外からも注目を集める人気の観光地です。

 

沖縄県が発表した「平成28年版観光要覧統計データ集」によると2016(平成28)年度の年次別入域観光客数は前年比110.5%の約876万人と過去最高を記録しました。平成29年8月単月の入域観光者数は100万2500人と初めて100万人台を記録し、こちらも単月として過去最高記録を更新しています。

 

郷土愛が強く、明るくて、楽天的な印象がある沖縄の人々―。文化や観光産業はもちろん、人々が醸し出す温かい雰囲気も魅力です。

 

私自身も会場でみんなと踊ったエイサーの楽しさが忘れられません。もうすでに来年の「琉球祭」を心待ちにしています!

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