球団創設9年めにして、初優勝を決めた東北楽天イーグルス。二軍外野守備走塁コーチの礒部公一さん(39)は、創設時の選手分配ドラフトで近鉄から入団した。“ミスターイーグルス”として名を馳せた磯部さんが、球団創設1年目の“産みの苦しみ”を語ってくれた。

 

「当時は室内練習場もなかったし、施設面で『本当にプロ?』と疑問符がつくところから始まった。シャワールームにタオルがなかったりとか(笑)。『あるべきものがない』が普通で、そうしたことをひとつひとつ球団と話し合い、解決していった1年めでした」

 

’05年3月26日、ロッテとの開幕初戦こそ勝利を収めたが、翌日は同じロッテに0―26と記録的な大敗。

 

「ある程度予想はしていました。僕らは寄せ集めといわれていたし、とくに投手力が弱かった。試合が始まって、これからっていうときにすでに大差がついていたりする。優勝争いも5月ぐらいには終わっていましたし、あとは絶対に100敗だけはしたくないと(苦笑)」

 

チームはその後も負けが続き、礒部さんの打撃にも狂いが生じた。そんなとき、支えとなったのが地元ファンだった。

 

「負けが続いてもファンは『頑張れ』と。近鉄では関西特有の強烈なヤジを経験していたので、東北人の温かさには救われました」

 

今年の躍進については、若手の活躍と“厳しさ”が功を奏していると語る。

 

「星野監督のもと、厳しさを押し出し、戦う集団に変わってきた。二軍でも“闘志なきものは去れ!”の意気込みで戦っていますから。また、今年は若い選手が多く一軍に呼ばれている。そういった選手が活躍すると、俺も優勝の輪に加わりたいと、二軍の若手も士気が高かったですね」

 

(週刊FLASH10月15日号)