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昨年、日本人右打者として歴代最多の193安打をマークし、一躍、時の人となったヤクルト・山田哲人(23)。今年は出だしでこそ躓いたものの、気温の上昇とともに打撃も急上昇。7日現在、打率は.333(2位)、33本塁打(1位)、87打点(2位)と3冠王を狙える位置につけている。

 

また6日には、30盗塁(1位)と、史上9人めとなる「トリプルスリー(打率3割、本塁打、盗塁ともに30)」の仲間入りを果たした。

 

一昨年まで、わずか通算4本塁打だった男は、いかにして4冠王に近づいたのか。そこには一人の打撃コーチとの出会いがあった。’14年からヤクルトの一軍を担当する杉村繁氏(58)である。

 

「杉村コーチが担当する場合、まず選手に『どういった打者を目指すのか』と聞く。そのとき山田の答えは『本塁打が打てる打者』だった。だが、その線の細さ(180センチ・76キロ)から、『まずは逆方向に打てる打者を目指そう』と諭した」(スポーツ紙記者)

 

そして、杉村コーチはティー打撃の大切さを植えつけた。2人の始動は試合開始5時間前と早い。なにしろティーだけで、「歩きながら打つ」「連続して早く打つ」「バランスボールに座りながら打つ」など11種類にも及ぶからだ。また、バットは試合用より120グラムも軽い800グラムのものを使用する。長打が生まれるうえでバットのヘッドスピードは重要な要素。軽めのバットでふだん出せないスピードを体感させ、体に染み込ませることが狙いだ。

 

この練習法を山田が聞いたとき、「これだけ多くのティーを毎日やるのはしんどいし、無理」だと感じたという。だがその言葉とは裏腹に、マンツーマン指導は昨年4月から、現在まで続いている。継続が今の成績に繋がっていることは間違いない。

 

「山田の野球に取り組む姿勢をナインに聞くと、決まって『バカみたいに練習する』で一致している。先輩が『もうやめろ!』と言っても、『僕は死ぬまでやります!』と。それくらい練習に対してストイック。主砲の畠山和洋も、『あれだけ練習しているんだから、今の成績はまったく驚かない』と言っているほど。杉村コーチにしても、ここまで本塁打が打てるとは思っていなかったらしく、『俺の予想が甘かった』と驚いていた」(前出・記者)

 

’10年のドラフトでは、日ハムの斎藤祐樹(27)、楽天の塩見貴洋(27)の“外れ外れ1位”で、大阪・履正社高から入団。今年の突出した活躍によって、来年はチームの象徴である背番号1の継承と年俸2億円(今季推定8千万円)突破が確実視されている。

 

だが夢はさらにその先にある。“努力の天才”なら「日本人内野手はメジャーで成功できない」という定説を、覆してくれるはずだ。

 

(週刊FLASH9月22日号)

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