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小久保ジャパンに「ありがとう!」なんて、とても言えないよ……。まさかの大逆転負けで、宿敵・韓国に苦杯をなめさせられた日本代表。“野球力1位”の称号は幻となったが、今大会はメジャースカウトたちにとって「選手の見本市」であった。

 

象徴的だったのが、16日の日本対プエルトリコ戦。バックネット裏にはメジャー15球団、20人強のスカウトが駆けつけた、彼らのお目当ては、今オフ最大の注目株・前田健太(27)だ。

 

だが戦前、彼の評価はそれほど高くなかった。メジャースカウトの声として、「落ちる球がない」「球速が平凡」と、ネガティブな記事が多く、“マエケン体操”に至っては、「肩を故障しているのでは」といった憶測まで流れる始末だった。事実、今大会中に「メジャーでは中継ぎレベル」とまで酷評された。では、なぜここまで多くのメジャースカウトが集結したのか。からくりをスポーツライターが解き明かす。

 

「じつは日本のスポーツ紙は、米スポーツサイト『SB★NATION』の記事を参考にして書くことが多い。ただ、このサイトを書いているのは、いわゆる野球好きの素人同然の記者たちで、専門家ではない。だから、勝手な憶測やスカウトの真の評価とは違った記事が、日本で報道されてしまう」

 

ただ、真意とは違ったことを親しい記者などに書かせたりすることは、メジャーの世界では常套手段だという。

 

「獲得を目指す球団がライバルを出し抜くためや、入札額の高騰を抑えるために『前田は中4日に対応できない』『球が軽い』といったネガティブな評価をスカウトの声として書かせる。そういったマスコミ操作をやる代表的な球団が名門ヤンキースだ」(同前)

 

現在、前田獲りでリードしているといわれるのが、ともにエース級が抜けたダイヤモンドバックスとドジャース。さらにはヤンキース、レッドソックス、ジャイアンツなども興味を示し、争奪戦に参戦する姿勢を見せている。それだけ前田の評価は高いのだ。また、フランクな性格で、広島の外国人選手とも積極的にコミュニケーションを取るなど、英語に対して苦手意識を持たないところもメジャー向きだという。

 

どっちらけのV逸ながら、アピールに成功した前田は、過熱する“情報戦”をよそに、広島にメジャー挑戦への思いを強く訴えた。

 

(週刊FLASH2015年12月8日号)