「人生相談の連載を頼まれたとき、そういえばオレ、人から相談されたことないな、と。ほら、オレなんかに悩みを打ち明けても……と普通は思うじゃないですか。そこでマネージャーに聞いたら、アンガールズの田中(卓志)さんが伸び悩んでいたころに、オレに相談したみたいなんですよ。そのとき『大丈夫だよ、誰も田中さんのこと見ていないから』と答えたらしいんだよね。田中さんは、それで肩の荷が下りたと感謝してくれたみたい」

 そう語るのは、本誌で新連載『ゆるゆる人生相談』を開始した蛭子能収さん(66)。“心”はないけど、“真理”はある。そんな蛭子さんの名・珍回答とは?

Q・中2の娘は、勉強をせず「漫画家になる」と夢ばかり語っています。受験もあるので、気持ちを入れ替えてほしいし、私たち夫婦としては、もう少し堅い職業についてほしいし、このままではろくな人にならない気がして……。(M沢J子さん・45歳・公務員・神奈川県横浜市)

「いや〜これはですね、娘さんの思いを尊重してあげたほうがいいと思いますよ。漫画家になれるかどうかはわかりません。挫折することもあるかもしれません。でも、その経験も、いつかは役に立つかもしれないじゃないですか。なぜ、子どもが将来の夢を見ることを止めるんですかね。公務員だからかな。

 夢を持つことは大事です。それに将来◯◯になりたいと思っていれば、簡単になれるとオレは思っているのです。ただし、なりたいと強く思わない人は絶対に無理。正直、オレも漫画家になっても、最初は食べられませんでした。そこで、ちり紙交換やダスキンの営業をしていましたけど、漫画を描こうと、強く思い続けていましたから。なろうと思えば50%か60%ぐらいの確率でなれると思いますよ。

 ただ、オレはまったく勉強をしないで漫画家になったことを、今、すごく後悔しているんです。知識がないから、テレビ番組でまったく答えられない。とても恥ずかしいんですよ。だから、勉強だけはしたほうがいい、と娘さんに言いたいですね。

 それにしても『このままではろくな人にならない気がする』って頭が固いですね。あなたたちのほうが、ろくな大人じゃないですよ」

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