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「魔性の女」。それは小悪魔とは異なり、計算などせずとも知らず知らずのうちに男を惹きつける魔力を持った特別な女を指すそうです。女であれば持ちたい力の1つかもしれません。しかし魔性の女とは響きこそかっこいいものの、名づけられたら最後。冷静に考えると、なんと損な役回りではと思うのです。

 

90年代、さまざまな男性と浮名を馳せた葉月里緒奈さん(41)。そんな彼女が女性自身本誌にスクープされました。2年前に不動産会社の御曹司である夫と離婚。子どもの親権を手放し、ジュエリー販売を手がける男性と交際していることが明らかになりました。

 

葉月さんは04年の結婚後、仕事をセーブ。しかし近年はバラエティやドラマなど多数の番組に復帰し、40代で女優としてのリスタートを切っていました。そんな彼女に浮上した今回のスクープ。驚くのは、その反響の大きさです。

 

葉月さんは19歳で俳優との不倫関係が明るみに出た際に「相手に奥さんがいても平気です」と名言を残し、“魔性の女”と呼ばれるようになりました。当時の美しさを思い出すと、子どもだった筆者もドキリとして見入った記憶があります。そんな彼女が離婚し、子を手放し、新たな恋愛を始めていると知れば、世間も気になるのでしょう。

 

たしかに葉月里緒奈=魔性の女というイメージはマッチします。しかし注目を集めるために使われる「魔性の女」というフレーズには、受け手の都合も隠れているように思います。それは“騙される男の逃げ道”です。

 

たとえば自称“魔性の女の被害者”なる男性は魔性の女という言葉を使うことで、「女の摩訶不思議な魅力に毒された!」と情にほだされた不甲斐なさを帳消しにできます。また騙された男のパートナー女性も「夫は魔物に心を侵されたのだ!」と自分を納得させ、相手を許すことができるのかもしれません。

 

つまり葉月さんの魅力に摩訶不思議なパワーを重ねることは、“並外れた色っぽさや危うさやふてぶてしさを真正面から見据えなくてすむ”というメリットがあるのです。「魔性の女は情動的で理解不能な行動をするもの」という思い込みのベースがあるから、世間も野次馬感覚で彼女のカムバックにいろいろ言えるのでしょう。

 

ただ1つ、筆者には納得いかないことがあります。それは葉月さんが親権を手放したことと、新しい恋人の出現がイコールで語られることです。離婚に際し、教育方針の違いから娘の親権を手放したとされる葉月さん。これを新しい恋人との情愛のせいだと語る人のなんと多いことでしょう。

 

最近は母親が親権を手放すことについて、鬼の首を取ったように騒ぎ立てる人が多すぎる気がします。ココリコ田中直樹さん(46)と小日向しえさん(37)の離婚もそうです。もちろん離婚しないに越したことはないですが、「親権を手放した母親=失格」と決めつけては誰も幸せになりません。

 

葉月さんだったら、そう責め立てられたらなんと答えるでしょう。「愛情があれば親権がなくたって平気です」くらい言い切ってくれるでしょうか。ああ、やっぱり葉月さんには“ふてぶてしい女の姿”を求めてしまうのです。

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