東京五輪空手「形」誘致断念を発表する翁長雄志知事=29日、県議会棟
(写真・琉球新報社)
2020年の東京オリンピック空手(形)沖縄開催誘致実行委員長を務める翁長雄志知事は29日、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が空手「形」の沖縄開催について、「非常に厳しい」と県側に伝えたことを明らかにした。同日に県庁であった会見で発表した。
12月上旬に予定される国際オリンピック委員会(IOC)理事会による空手競技開催地決定を前に、伝えられたという。県内開催の可能性がなくなったことに、翁長知事は「大変残念な状況だ」と語った。一方、要請してきた聖火リレールートへの沖縄参入などは引き続き求めていくとした。
東京五輪の分散開催が他競技においても困難視される中、空手が東京五輪追加種目に決まった時からのIOCの既定路線通り、東京・日本武道館で行われる見込みだという。今後も実行委は(1)聖火リレールートへの沖縄参入(2)開会式での空手・古武道、エイサーや琉球舞踊の披露(3)事前合宿県内誘致を東京組織委などに求めていく。
実行委で共に要請を行った沖縄伝統空手道振興会の喜友名朝孝理事長は、沖縄開催がなくなったことを残念がりつつ「県民に希望を与えるため、ぜひ聖火は沖縄から出発してほしい」と語り、残る項目の実現に向けた取り組みを強調した。
来春には沖縄空手会館の開館が控えており、10月には国際通りで3973人の形の一斉演武を実施してギネス世界記録を更新したばかり。空手発祥の地としての沖縄を世界にアピールしようと県や県議会、経済界や空手関連などの21団体で組織した同実行委は9月の設置以降、関係省庁や団体に要請を重ねてきた。東京組織委への11月24日の要請の際に、沖縄開催は厳しいと伝えられた。