災害コンサルタントが指摘する「要注意エリア」はココ!
日本全国液状化警報MAP!

「基本的に沿岸部にある埋立地は、巨大地震が発生すれば、液状化が起きる可能性があると考えておいたほうがいいでしょう」
こう語るのは、災害コンサルタントの堀越謙一さん。
液状化で大きなマンホールが数メートルも飛び出した千葉県浦安市。堀越さんによると、埋立地や沿岸部以外でも、液状化は起こるのだという。
「今回、埼玉県久喜市も被害を受けました。海のない内陸部でも河川流域周辺の地盤は、水分を多く含んだ軟弱地盤により形成されていることが多く、液状化する可
能性があります。平野を形成したのは河川であり、泥土層が広く分布している地域も見られることから、安心はできません。
また、田んぼを整地して住宅地化されている地域においても、地盤が弱く、液状化する可能性があります」

地名に『田』、『水』、『橋』、『沼』、『川』、『谷』などの漢字の付く地域は、脆弱地盤の可能性があるとか……
アナタの街は大丈夫?

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①北海道
(北区から東区にかけてのエリア)
札幌市は石狩低地に位置し、石狩川からもたらされた土砂が堆積した泥炭層が広く分布している。とくに、北区から東区にかけての河川流域エリアは、地震による液状化の可能性があると考えられる。

②埼玉県
草加市、八潮市、三郷市、戸田市、川口市、久喜市、
加須市、羽生市、行田市(すべて河川地域)
県の東部地域には低地が広がっており、妻沼低地では主に砂礫質、荒川・中川流域では泥質の沖積地盤(河川の氾濫などで土砂が堆積してできた地盤)を形成しているため、地盤は弱い。とくに草加市、八潮市、三郷市の中川流域は地震による液状化の可能性がある。また、戸田市、川口市も河川地域に位置しているので要注意。さらに、県北部の内陸地域でも、利根川水系の地盤形成によって地盤は軟弱。今回液状化した久喜市のほか、加須市、羽生市、行田市なども可能性は高い。

③千葉県
浦安市、船橋市、千葉市、市川市にかけての湾岸エリア
東京湾沿岸に多くの埋立地があり、東京湾岸低地も広がっていることから、今回大打撃を受けた浦安市をはじめ、船橋市、千葉市、市川市など、液状化の危険性が高い地域が連なっている。高級住宅地として知られている〝チバリーヒルズ〟のある緑区は、河川に沿って広がる標高の低い平坦面にあり、地下水位も高い。軟弱な粘土層が広く分布していることからも、液状化の可能性がある。

④東京都
image江戸川区、墨田区、江東区、品川区(天王洲周辺)、
中央区(月島)、世田谷区(二子玉川周辺)、大田区(大森、蒲田)
荒川以東の地域では東京低地が広がっており、泥土層による軟弱地盤が形成されている。とくに、江戸川区、墨田区、江東区の広域にわたり地盤が弱く、液状化の可能性が非常に高い。また、中央区月島、江東区豊洲、品川区天王洲などの高層マンションエリアは埋立地のため、液状化の危険性を常にはらんでいる。多摩川沿いの世田谷区二子玉川周辺の地盤も弱いので要注意。さらに、大田区南東部にある大森や蒲田周辺は、多摩川最下流の三角州性低地と東京湾岸の海岸低地より構成されているので、地盤は脆弱。地震によって液状化する可能性がある。

⑤神奈川県
横浜市(湾岸地域、港北区、保土ヶ谷区など)
茅ヶ崎市、海老名市(ともに湾岸エリア)
多摩川右岸域には下末吉台地と多摩低地が広がっており、多摩川、鶴見川などの河川とその支流によって地盤が形成された、沖積層となっている。そのため、軟弱地盤の地域が多い。なかでも、横浜市の湾岸エリアは液状化の可能性が高い。また、埋立地ではないが、京浜東北線沿いの地盤も決して強くはなく、新子安駅から横浜駅までの区間は要注意である。内陸部でも港北区の鶴見側沿いのエリアの地盤は弱く、綱島地区などは軟弱地盤の地域に入る。相模鉄道本線沿いでも、保土ヶ谷区の上星川駅から西谷駅にかけては低地に広がっていることから、地震による液状化の可能性が十分考えられる。さらに、相模川低地にある茅ヶ崎市、海老名市にも軟弱地盤の地域が多く、とくに、湾岸近くでの液状化の可能性は高い。

⑥愛知県
名古屋市南部地域
(中川区、中村区、西区、北区にかけての河川沿いエリア)
名古屋市が位置する濃尾平野は、庄内川と矢作川に挟まれており、古くは河川の運搬泥土が堆積した低地。河川流域では大量の土砂が供給されて、軟弱な粘性土や緩い砂が厚い軟弱層を形成している。また、愛知県は中央構造線(大断層)の延長線上に位置しており、大きな地震によって液状化の可能性も高い。とくに、名古屋南部地域は沖積地盤が広がっているので、中川区、中村区、西区、北区にかけての河川沿いは巨大地震による液状化に注意すべきエリアだといえる。

⑦大阪府
image大阪市(西淀川区、港区、大正区、住之江区の埋立地エリア。淀川沿いの福島区、北区、淀川区、東淀川区、旭区にかけての低地エリア。阿倍野区の帝塚山や北畠周辺のエリア)
淀川および大和川に挟まれた大阪市は、沖積低地が広域にわたって分布。大阪湾に面した沿岸地域には古くからの埋立地が多い(西淀川区、港区、大正区、住之江区)。また、淀川沿いの福島区、北区、淀川区、東淀川区、旭区にかけての地域は低地で、泥土が堆積してできた地層のため、地盤は軟弱。高級住宅地である阿倍野区の帝塚山や北畠地域は、湾岸線より内陸にあるが、比較的軟弱地盤なので、地震による液状化の可能性も十分に考えられる。

⑧兵庫県
芦屋市、神戸市、明石市、加古川市にかけての湾岸エリア
阪神・淡路大震災で液状化したように、湾岸エリアの埋立地は要注意。また、高級住宅地の芦屋地域は、河川により堆積した地層であるうえ、湾岸線にも近いことから地盤は弱く、液状化の可能性が。

⑨福岡県
image福岡市(唐戸町、百道、浄水通り沿いのエリア)
北九州市(小倉北区、戸畑区、八幡東区にかけてのエリア)
圏内には福岡平野、筑後平野、直方平野があるが、湾岸線の埋立地を含め、その大半は脆弱地盤で形成された地域が広く分布している。具体的なエリアとしては、福岡市内では『唐戸町』。中央区に位置し、利便性がよく、人気の高い地域だが、内湾の軟弱な地盤により形成されているため、液状化の可能性が十分考えられる。次に『百道』。高級住宅街だが、埋立地でもあり、大地震による液状化は避けられないと思われる。そして『浄水通り沿い』は泥土層によって形成されており、地盤は弱い。北九州市では小倉北区、戸畑区、八幡東区にかけての地盤が弱い。これは河川により堆積した泥土層が地盤を形成しているため、液状化の可能性がある。

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