9月30日投開票の沖縄県知事選に向け、県政与党が擁立する方針を固めた玉城デニー衆院議員(58)は20日、本紙に対して、選挙戦に必要な資金や人員などの具体的な条件が整えば「立候補に踏み切る」と述べ、出馬の意向を示した。知事選は既に出馬を表明している前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)と玉城氏の事実上の一騎打ちとなる見通しだ。佐喜真氏は20日、前回知事選で自主投票を決めた公明党県本と政策協定書に調印した。知事選では8年ぶりの自公協力体制が復活することが確定した。
玉城氏は「後援会は候補者が堂々と戦える環境をつくってほしいと願っている。財政面や人員などの態勢づくりに必要な環境の整備が重要で、調整会議がそれを示さない限り後援会も納得しない」と述べた。後援会や所属する自由党の小沢一郎共同代表と相談し、24日までには最終判断する考え。小沢氏からは「出馬する以上は勝つのが鉄則だ。支援関係を確認し、決意したら連絡してほしい」と伝えられたという。
玉城氏は、翁長氏が亡くなる数日前に残した音声で、後継候補の一人として名前が挙がった。同じく、名前が挙がっていた金秀グループ会長の呉屋守将氏(69)は出馬を固辞し、玉城氏支援を表明している。
一方、翁長知事の音声を巡り、県議会与党の会派おきなわは20日、選考過程に不透明な部分があるとして、政党や労働組合などでつくる調整会議からの離脱も辞さない考えを表明した。状況次第では翁長知事が構築した「オール沖縄」体制の一角が崩れる局面も予想される。
一方、佐喜真氏は公明との調印式で、知事選の最大の争点となる普天間飛行場の辺野古移設問題について「街のど真ん中にある普天間飛行場を一刻も早く返すことが原点だ」と述べたが、移設の是非には触れなかった。
協定では、普天間飛行場の運用停止のほか、海兵隊の県外、国外の分散の早期実施、日米地位協定の改定など基地負担軽減を強力に推進すると強調した。経済発展や福祉向上、人材育成なども掲げた。