天皇陛下は、12月15日に皇居・御所で、来日したブルネイのボルキア国王、マティン王子と面会された。
「25分間ほどの懇談では、陛下がブルネイを公式訪問された際のことや、国王と王子も留学されていた英国での思い出について、打ち解けた雰囲気でお話しになっておりました。陛下はご懇談の時間、ずっと通訳を介さずに英語でお話しになっておられました」(宮内庁関係者)
12月18日には、両陛下は日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議に出席した首脳らを歓待する茶会を開かれた。コロナ禍以降、約4年4カ月ぶりに飲食をともなう茶会となり、和やかな空気のなか、両陛下は各国の首脳と語らわれていた。
「雅子さまは、2023年6月に国賓として訪問されたインドネシアのジョコ大統領に、『テリマカシー』と現地の言葉で挨拶を交わされ、ご訪問時のお礼をお伝えになっておりました。 両陛下は豊かな国際感覚をお持ちですので、こうした親善の場での洗練されたコミュニケーションには、あらためて感服してしまいます。
この茶会でも、陛下は英語で挨拶されておりました。このところ、国際親善の場で両陛下がお相手と英語で直接話されているため、通訳の出番がなく、座ったままという場面が非常に増えているのです」(前出・宮内庁関係者)
天皇陛下は英語とスペイン語に通じられ、幼少のころから海外で生活され、現地の教育を受けられてきた雅子さまは英語、ロシア語、フランス語、ドイツ語にご堪能であることは知られている。
「両陛下は、ともに高いレベルでコミュニケーションを取れる語学力をお持ちです。雅子さまはご成婚前に外務省に勤務していた当時、米国務長官と日本政府要人の会談の通訳官を務めておられてますし、正直、英語については通訳を介する必要はないほどの高い水準であるといえます。
国際親善や外交の場で、“一対一”で向き合う場面では、通訳を介さずにやり取りしたほうが、限られた時間を有効に使うことができるといった考え方もあるでしょう。しかし、通訳を介するメリットもあります。記録を取ることができたり、通訳が訳している間に双方が次の発言について“言葉を選ぶ”ことができます。
そうしたことからも宮内庁内からは、“立ち話はいいとして、椅子に座って会見する場では通訳を介したほうがよろしいのでは”という声も聞こえます。両陛下がお使いになる英語はあまりにも高い水準ですから、受け答えに齟齬が生じるということはいっさいありません。ただ、公式の場でのやり取りという点では、“なるべく通訳を介する”という考え方も、たしかに一理あるかもしれません」(皇室ジャーナリスト)
コロナ禍を経て、皇室による国際親善の機会が増えている昨今。両陛下の高い語学力により、日本と世界の国々との距離がより近いものになっていくのは間違いない。