第40話 彼・我の世界

アルツハイマー病は、母という人間の骨幹、エッセンスをズバリとさらけ出しているように思える。

これは、やっぱりスゴイ!!

母の気の強さ、ひたむきさ、自尊心の高さ、諦めない心・・・

私たちは、世間で生きいくために、ある程度粉飾し、人と摩擦を起こさないように心がける。あるいは、徹底的に議論し合う。(これは、西洋!)

そんな<彼>の世界は、母からは、なくなり、<我(が)>の世界があるのみだ。

image母を見ていると、母は、この<我>の世界で、一生懸命ガンバっている。日々、真剣に自分と向き合っている。そして、時々、フト私たちが、いる<彼>の世界に戻ってくるのだ。

ただ、私が帰国して1年、母は、<彼>の世界に帰ってくる頻度が、少なくなり、戻ってきても滞在時間は、段々短くなってきている。

要介護3。ここら辺りの認知症の介護レベルが、本人にとって一番ツライんだろうなあ。

この新作「此岸、彼岸」は、そんな母の<我>の世界を覗きたい、描きたい、とまあ、過去に何回も書いてきましたね!

 

2011.1.15 (土)更新予定!<動画39:アルツハイマー病の母の不思議なゴミ当番

ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸 彼岸』一覧

[この記事を第1話から読む]

 

関口家でも使っている、家族を守る”みまもりカメラ”

関連カテゴリー: