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片岡愛之助でございます。

桜も終わり、つい先日幕を開けたばかりの愛知県名古屋市の「中日劇場四月花形歌舞伎」公演も、早いものでもう26日に千穐楽を迎えようとしております。

 

昼の部の『雪之丞変化』では、市川猿之助丈が演じる中村雪之丞の師匠・中村菊之丞を勤めさせていただいております。そして夜の部の通し狂言『新・八犬伝』では、敵役の崇徳院、扇谷定正、網干左母次郎の3役と、里見八犬士の犬飼現八の計4役を早替りで勤めさせていただいております。

歌舞伎では、どんなお役にも品がなければいけない。そして、例えばどんなに凄惨な殺しの場面でも、その中に見た目の美しさがあるのが歌舞伎の魅力です。だから、品と美しさというものを、常々大事にしながら勤めさせていただいております。

わたくしが演じる“魔界の大天狗”である崇徳院という人物は、天皇にもなった人物。だからこその迫力があったり、それが乗り移った扇谷定正は、生まれながら悪の心を持った本物の悪人なので、そういった部分も大事にしながら勤めてております。

だからお芝居していても面白いですね。あっという間に終わってしまう感じがします。昼の部も夜の部も、“あれ? もう大詰?”って思います。

まだご覧になられていらっしゃらない方には、ぜひこの機会をお見逃しなく。

チケットは http://chunichi-theatre.pia.jp/

または中日劇場予約センター 0570-55-0881 までお願いいたします。

 

今月は、四国こんぴら歌舞伎もただいま公演中でございます。琴平町の金丸座も大変由緒ある芝居小屋でございますが、わたくしも近畿地方最古の芝居小屋・出石永楽館におきまして、毎年11月に永楽館歌舞伎を開催、出演しております。出石永楽館は、兵庫県豊岡市の指定文化財になっております。

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集英社『愛之助が案内 永楽館ものがたり』(C)集英社、 撮影:荒井拓雄

このたび、閉館から44年ぶりに復活した出石永楽館と「永楽館歌舞伎」開催までの軌跡を記した「愛之助が案内 永楽館ものがたり」(集英社刊)を上梓いたしました。

永楽館では、昨年は新作歌舞伎『神の鳥』を創作、上演致しました。復活に関わった思い入れの深い永楽館歌舞伎のすべてが書いてございます。

ご興味がありましたら、全国の書店でお手に取っていただければ幸いです。

 

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BS日テレ『片岡愛之助の解明! 歴史捜査』(初回放送より)(C)BS日テレ

そして4月9日からいよいよ始まりました、わたくしが初のレギュラー司会を務める、毎週木曜夜9時からのBS日テレ「片岡愛之助の解明! 歴史捜査」。

4月23日放送の第3回目は、戦国最強といわれた武田騎馬軍団と、天下取りの野望に突き進む織田信長と徳川家康連合軍が戦国の覇権をかけて激突した長篠の戦いを取り上げます。

信長が誇る最新兵器「火縄銃」が旧来の騎馬隊を破り、戦国の世を変えた「戦術革命」とも呼ばれた長篠の戦い。ですが、三段撃ちはなかったのでは、という疑問が浮かんできたのです。

そもそも武田の騎馬隊は存在したのか……。勝敗を分けた長篠の戦いの真実に迫ります。

ご期待ください!

 

そして、4月26日月曜夜11時58分からは、テレビ東京系でドラマ「LOVE理論」が放送になります。

わたくしは、大野拓朗さん演じる茨城県から上京してきた冴えない大学生に究極のラブ理論を伝授していく、謎のキャバクラの店長・水野愛也を演じております。

もう金髪頭には、慣れていただきました?

あの頭、最初は赤にしようか、とにかくミステリアスにしようといろいろ試行錯誤した結果が金髪で“落ち着いた”のです。最初は鏡に映った自分の姿にギョッとしましたが、2日で慣れました。

金髪もいいもんですよ(笑)。中村獅童さんが金髪にしていたのを傍目に見ていましたが、実際にやるとあぁこういう気分なんだな、と、束の間獅童気分も味わっております(笑)。

ぜひ深夜のスパイスにご覧になって、気分をスッキリさせてください。

ではまた来週お目にかかります。

片岡愛之助

 

プロフィール

1972年3月4日生まれ。’81年12月、十三世片岡仁左衛門の部屋子となり、南座『勧進帳』の太刀持で片岡千代丸を名乗り初舞台。’92年1月、片岡秀太郎の養子となり、大阪・中座『勧進帳』の駿河次郎ほかで六代目片岡愛之助を襲名。’07年12月上方舞・楳茂都流の四代目家元を継承し、三代目楳茂都扇性(せんしょう)を襲名した。

 

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