ブラックオパール

いろいろあるオパールの中でも、宝石としてはもっとも価値が高いとされているのが「ブラックオパール」。「ブラック」と名がつくゆえんは石の地色が「漆黒」であるからだとされています。でも、実際には青みがかった黒や緑がかった黒、あるいはその中間の色もあります。ただ、共通していることは、「黒っぽい地色の中に、七色の虹を思わせる鮮やかな遊色がある」ということです。

この石も前回の「オーストラリアオパール」と同様、堆積岩に二酸化硅素を含んだ熱水が 流れ込み、それが長い時間をかけてオパールとなったものです。ただし、「ブラックオパール」は同じオーストラリアの中でも南西部にあたる、ちょうど、シドニーとブリスベンの中間に位置するライトニングリッジでしか採掘されない石。きわめて希少性の高い鉱物と言えます。

ボールダーオパールStone_080812_2

「ボールダーオパール」もオーストラリア大陸から採れる鉱物で、「ブラックオパール」の産 地であるライトニングリッジをまっすぐ北上したクイーンズランド州の広い範囲で産出されます。この石は一見、「ブラックオパール」と見間違えるほど、石の色や遊色の感じが似ています。でも、決定的に違うのは、オパールとその母岩が一体となっていることです。そのため、「ボールダーオパール」を研磨する際は、母岩に入り込んだ帯状のオパール層に沿って行います。その結果、石の表面が波打ったり、一定の規格の形をしていない特徴が現れます。つまり、「ボールダーオパール」は自然のままのようなさまざまな形をしているわけです。それがかえって、この石の魅力になっているとも言えますね。

ところで、この母岩とはいったい、どういう鉱物でしょうか? 実は持つとずしりと来るような「鉄鉱石」なのです。この重い鉄鉱石を母岩としているわけですから、「ボールダーオパール」は他のオパールとは違って格段に重量があります。したがって、通常の宝石は「カラット(ct)」という重量の単位で取引きされますが、「ボールダーオパール」に限っては「カラット」が適用されないのです。

メキシコオパール

さて、最後は所変わって、かつてはアステカ文明が栄えたメキシコで採掘されるオパールです。すでにお話ししましたように、メキシコのオパールは火山岩の中から採掘されます。オーストラリアの堆積岩の場合と違って、高温の熱水が作用した結果、オパールそのものの透明度が高いのが特徴です。典型的な「メキシコオパール」はこの透明感とともに、赤やオレンジ、黄色、緑などのはっきりした遊色性が見られます。まるで燃えさかる炎を連想させることから、「ファイヤーオパール」という名称もつけられているのです。

一方、ごく希にブルー系のオパールも発見されています。これは上記の「ファイヤーオパール」に対して「ウオーターオパール」と名付けられ、コレクターにはたいへんな人気があります。「ホープダイヤモンド」で有名なホープ家はオパールも所有しており、そのオパールは「アステカ・サンゴールドオパール」と呼ばれています。その石こそ、まさにブルー系のこの「ウオーターオパール」だったと言われています。

オパールのお話しはまだまだ尽きません。次回は、オパールと人間の歴史的かかわりやパワーストーンとしての魅力についてお話ししましょう。