1階で出迎えてくれる、いじわるばあさんとサザエさん一家のパネル。一気に長谷川町子ワールドへ引き込まれます。 画像を見る

話題のスポットやエンタメに本誌記者が“おでかけ”し、その魅力を紹介するこの企画。今回は、長谷川町子さんが今年生誕百年を迎えるのを記念してオープンした「長谷川町子記念館」に行ってきました。

 

■「長谷川町子記念館」(長谷川町子美術館分館)住所:東京都世田谷区桜新町1-30-6/休:月曜(現在、入館人数を制限中。詳細は公式HPにて)

 

入口には初期のころのサザエさん一家のパネルが並び、明るくお出迎え。現在とは家族の顔が少し違い、歴史を感じさせます。

 

1階は作品の原画展示や体験コーナー、2階は長谷川町子さんの生い立ちから、漫画家への道のり、漫画家としての活躍や裏側の苦悩などが詳細に紹介されています。

 

「町子は一日中、面白いことを言って家族を笑わせている」と母が語っているようにユーモアたっぷりの人だったそう。漫画家デビューは15歳で、当時、天才少女として評判に。

 

その後、『サザエさん』の新聞連載を続けた約30年のなかで、過労によるうつ病などを患いながら執筆していたことや、実姉、実妹と「姉妹社」という会社を立ち上げ、家族で町子さんの仕事を支えていたことなどから明るい作品の裏では苦労の日々もあったのだとわかります。

 

いかに漫画に人生をかけていたかを痛感し、ジーンと胸が熱くなりました。

 

長谷川町子さんといえば、『サザエさん』などが有名ですが、歌舞伎の世界を描いた『町子かぶき迷作集』や、いたずら好きの犬が主人公の『いじわるクッキー』、絵本『ぞうのおまわりさん』などの展示もあり、才能の幅広さも改めて感じられます。

 

親子で楽しめる、心がほっこりする空間です。

 

「女性自身」2020年8月18日・25日合併号 掲載

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