16日に再稼働が決定した福井県・大飯原発3・4号機。しかし大飯原発の真下には、将来的に地震を引き起こすと考えられる活断層が走っている可能性が高いのだという。さらに、この断層に加えて危険が存在していた。地震学に詳しい京大・梅田康弘名誉教授はこう語る。

「原発のすぐ横には、最大で全長63kmの活断層が走っています。それがうごくと阪神大震災のM7.3を超えるM7.8の地震を起こす可能性があります」

関西電力は「大飯原発が耐えうる基準振動は1千260ガル(揺れの強さを表す単位)。これ以下ならメルトダウンは起きない」と安全性をうたっている。しかし梅田教授はその想定の甘さを指摘する。

「M6クラスの地震でもこの数字を検出した例はいくらでもあります。もしここでM7.8の地震が発生すると、関電の想定を超える強い揺れが襲う可能性もあるのです。また、発生する地震がこれ以下の強さだったとしても、原子炉以外の周辺設備のすべてをこの基準で造っているわけではないでしょう。原子炉自体を強固にしていても、配管や周辺設備が壊れると、福島第一原発の二の舞になってしまいます。国は、同じ失敗を繰り返そうとしているのです」

万一、大飯原発の建屋が福島同様崩壊してしまった場合、周辺地域に与える損害はどれほどになるのか。大飯原発を起点として、福島原発の被害範囲をそのまま重ね合わせると、60キロ圏内には京都市が、90キロまで広がると大阪市や神戸市が汚染範囲になる。つまり、滋賀、京都、兵庫、大阪に深刻な影響が生じてしまうのだ。そして、放射能漏れ事故によって想定されるもっとも大きなダメージは、琵琶湖の汚染だ。大飯原発をはじめとする若狭湾の原発稼働に反対する『美浜の会』はこう話す。

「琵琶湖は関西1千500万人の水がめ。そこが汚染されると、生活すべてに影響が及びます。まず水道水が飲めなくなる。人口の規模は福島のときの比ではないので、大規模なペットボトルの取り寄せ騒ぎが起こることが考えられます。農業用水、産業用水にも使われていますから、農家も製造業者も生産がストップします。関西圏は生活もままならなくなり、人口流出に歯止めがかからなくなるでしょう」

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