「’10年の2月14日から去年の7月7日まで1年半、C型肝炎の治療をしました」と話すのは漫才コンビ『オール阪神・巨人』のオール巨人さん(南出繁=60)。彼は1年半の苦しいC型肝炎治療を経て、主治医から「まず大丈夫でしょう」と”完治”のお墨付きをもらった。

「僕がC型肝炎に感染していると知ったのは18年前。42歳のとき、虫垂炎の手術をする際に、先生に『C型のキャリアです』と言われました。自覚症状はないんです。だから20年近く何もしないでいた。普通に仕事ができるし、生活ができる。仕事もめちゃ忙しかったですし」

オール巨人さんが治療に踏み切ったのは、かかりつけの医師に治療を強く勧められたことと、彼の奥さん(59)がC型肝炎治療経験者だったことがきっかけだった。残念ながら完治はしなかったが、その辛い治療中の妻を目にしていた彼は、還暦前のまだ元気があるうちに「いっちょ挑戦してみるか」と治療を受けることにした。

「僕が受けた治療はペグインターフェロンを週1回注射して、レベトールという薬を毎日朝晩飲むというものでした。最初のうちは、心配していた薬の副作用はほとんどなかったんですが、治療を重ねるにつれて副作用が次から次へと出てきたんです。間質性肺炎になりかけて、そのあと耳鳴り、息切れ、立ちくらみ……と。舞台で漫才をしている途中で、目の前が真っ白になったことも何回もありました」

味覚障害にも悩まされた。キムチやもつ鍋といった刺激のあるものはいっさい食べられなくなり、うどんと安物のさび抜きの寿司ばかりを食べていたという。

「食べる量も減って8キロ近くやせました。『最近やせたね』『顔色よくないね』と言われるのがいやで、頬紅を2種類買いましたよ(笑)。赤っぽいやつと、ちょっと男っぽいやつを」

そんな副作用に苦しみながらも、最後まで治療を続けることができたのは、やはり家族と周りの人たちのおかげだとオール巨人さんはいう。
「嫁は自分も治療経験者なので、僕の気持ちをよくわかってくれて支えてくれましたし、相方の阪神くん(55)が『やせたな』『顔色悪いな』と言うのを一度も聞いたことがないんですよ。それくらい彼は気を使ってくれていましたね。それと、仕事。『何があろうと絶対休まん!』と心に誓って仕事を続けたからこそ、最後まで治療に耐えることができたと思っています」

〝当代随一のしゃべくり漫才コンビ〟オール阪神・巨人は、これからもたくさんの笑いを供給してくれそうだ。

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