「こんなチャンスをいただきましたが、とても恵まれていると思います」と、父・志垣太郎(61)の隣でほほ笑むのは、長男の和音匠(かずねたくみ・25)。奥田瑛二監督の映画『今日子と修一の場合』での俳優デビューを機に、“父子”が語り合った。
「小さいころから映画が大好きで、年に何百本も見ては批評も書いていました。それで、僕も表現者になりたいと思うようになり、今回、奥田監督の映画のオーディションを受けたんです」と、和音。
志垣は同じ道を選んだ息子について、「僕も役者人生は自分ひとりで始めましたから、息子には芝居は何も教えていません。セリフ合わせもしないし、現場にも行っていません。“2世だから”使ったというのはいやなんですよ」と、あえて距離を置いたという。
和音を抜擢した奥田監督は、「匠のいいところは、気持ちの優しいところ、頭のいいところ、音楽に長けているところです。それを生かしてピアノ青年の役を演じていただき、見事にはまりました」と絶賛。確かに、本人自らショパンなどを弾きこなす重要な役どころだ。
和音は将来の夢をこう語る。
「このラッキーを今後どういうふうに生かすかは、自分次第。何もセリフを語らなくても、役の人生が見えてくるような役者になりたいです」