7月に膵臓腫瘍が見つかり、9月の舞台を降板、そのまま入院し手術を受けた坂東三津五郎(57)。10月2日に退院し、記者会見を開いた。
「定期検診を10月に受ける予定でしたが、勘三郎さんや團十郎さんのこともありましたし、ちょっと早めにと7月中旬に行ったら、本当にびっくりすることを見つけてくださいました」

 それでも三津五郎は、東京・歌舞伎座の納涼八月歌舞伎を千秋楽まで務めあげた。 納涼歌舞伎は、昨年亡くなった中村勘三郎さん(享年57)と2人で始めた思い出の舞台。28歳のとき勘三郎さんと踊った演目『棒しばり』を、勘三郎さんの長男・勘九郎と踊った。
 ある歌舞伎関係者によれば、「彼が病気を隠してまで舞台を務めあげたのは、『勘三郎さんの遺志を継いで前に進まなければならない』という強い思いがあったからです。
『一緒にこれからの歌舞伎界を盛り上げていこう』と切磋琢磨してきた盟友を亡くし、感傷に浸りたい気持ちもある。でも、それを勘三郎さんは望んでいない、と割り切ったんですね」

 9月3日に膵臓の真ん中と尾部、脾臓を切除する4時間に及ぶ手術が行われた。
「病室には2人の娘さんと妹さんたちが毎日交代で来ていました。お腹の傷は縦12㌢と大きかったのですが、意外と早く食事ができるようになりました。それでも消化に良いもの、免疫力を高めるものをと、2人の娘さんがレクチャーを受け、熱心に勉強していました」(病院関係者)

 また、彼がとても喜んでいたのが、長男の巳之助(24)が以前にも増して芸道に精進するようになったことだった。
「彼は、三津五郎さんと共演するはずだった『馬盗人』のコミカルな役柄を汗だくで熱演していました。特に手術当日の3日の演技は光っていました。その日の終演後、そのままタクシーで病院に駆けつけました」(前出・歌舞伎関係者)

 退院会見では、9月の舞台が無事に終わったことを報告してきた息子の姿を思い出し、目を細めていた。「必ず病に打ちかって、元気な舞台姿をご覧いただけるよう努力したい」と、会見で力強く語った三津五郎。年内は治療に専念し、来春の舞台復帰を目指す。盟友との約束を果たすためにも、元気な姿で戻ってきてほしい。

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