11月10日、悪性リンパ腫で亡くなった俳優の高倉健さん(享年83)。銀幕の大スターは私生活を明かさなかったことで有名だった。そんな、高倉さんの素顔とは?元東映プロデューサーの吉田達さんが、高倉さんとの思い出を本誌に語ってくれた。

「『大空の無法者』(’60年)で仕事してからの9年間は映画を作っても客が入らず、石原裕次郎、小林旭がスター街道を走るなか、健さんは『明日があるよ』と笑っていたけど悔しかったはず。

 あるとき『ギャラ上がんねえかな』と。なんでも『オレのギャラが1本60万円だけど、(妻の江利)チエミは1本250万円なんだよ。男としてさえないから、頑張りたいんだよ』と。

 また、その当時、60万円の中古のジャガーで江利さんとドライブしたらしく『“ダーリン、カッコイイ”って言われたよ』とうれしそうに語っていた。

 その後、大スターに駆け上がり、周囲は浮かれたけど、健さんは『登れば、落ちるんだから』と冷静だった。

 そんな彼が、ふだん、脚本には口を出さないのに『このセリフをどうしても入れてほしい』と相談してきたことがあった。それが『おふくろ、米の飯だ』という一言。故郷のお母さんに、なにかを伝えたかったのだろうか。今となっては確認できないが……」

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