フリーアナウンサーの黒木奈々さん(享年32)が、胃がんで帰らぬ人となった。
昨年4月から、念願のNHK-BS1『国際報道2014』メインキャスターの座をつかんだところだった。知人が「彼女を悪く言う人なんか見たことない」という黒木さんには、彼女を深く愛した男性がいた。
「結婚を望んでくれる恋人がいたと聞きました。でも、彼女は“いまは仕事が大事だから”と、断ったそうです。念願の報道キャスターに抜擢されて、この仕事をとにかく最後までやり抜くと、本当に意気込んでましたから……」(葬儀に参列した友人)
だが番組が始まってわずか4カ月後、彼女は胃に痛みを覚えてレストランで倒れた。彼女は冒頭の著書『未来のことは未来の私にまかせよう』(文藝春秋刊)のなかで、闘病中の心境を語っている。
《最近、結婚したいと心の底から思う。これまで仕事優先で結婚に全く興味なかった。でも、こうなって、心ある人と心の通った恋愛、結婚をしたいと願うようになった。また、恋ができるかな……》
《どうしても生きたい。仕事もしたい。結婚もしたいし、子供もほしい。欲張りかもしれないけれど、だから頑張るんだ》
病室でも復帰に向けて、自分磨きを欠かさなかったという。まずは仕事復帰、その先に「結婚」「出産」の夢を描いていたのだろう。もう一度スタジオに立つという彼女の願いは、悲しくもかなわなかった――。